【第一話】



【第二話】



『第三話』 ラブソング サビメロ(結)




あの日から二回目の免許の更新で

更新センターにきていた。

歳月は六年が過ぎ去っていた。


あの日、いったい彼女に

なにがあったのかは、この時にはわからなかった。


ただ、彼女を追っかけることはしなかった。


頑な持論かもしれないけど

「去るものは追わず」

「追いかけて戻るなら」

「究極な選択をしないだろう?」

「おそらく、去らないだろう?」

「そのときは、自身の測り知れない何かが」

「きっと、あったんだろう?」

「辛いけど、相手の意思を尊重すること」

なんて、意固地に教訓めいている。


そんなことを想いながら

更新手続きについてきていた家内と

一才になる愛娘のもとへ足早に向った。


「ごめん! まった?」

「ううん! 大丈夫よ!」


あの日から一年後に

今の家内と知り合い、数年の交際を経て結婚。

愛娘はハネムーンベイビー。


家内は今でこそ、傷は癒されているけど

知り合った当時

家内には、なかなか明かさない過去があった。


僕は、そんな家内に

「言いたくないことは、別に言わなくてもいい」

「ただ、過去はどうあれ、今、君のすべてを愛している以上」

「過去も許容していくつもりだよ!」


そして、家内は打ち明けてくれた。

妻子ある人と恋愛し、そして捨てられたことを…



そして

あの日から四回目の免許更新が終わった

一月の下旬

親友と新年会をしていた、とある日

一次会も終わり

「さぁ! 次はバーでもいこか?」

次の店に向っていた。


周防町筋を二人で連れ持ちながら、千鳥足だっていた。


何気に視線をやると、向こうのほうから

ダンディーな男と、

ロングヘアーのスレンダーな女性が、こっちに向ってきた。

「...ン?」

目を凝らしてみると、(弘子…!?)

お互い目線は交わしながらも、すれ違っていった。


親友に一声かけて

「康弘! ごめん!」

すぐさまUターンして、弘子を追っかけていた。

すると、彼女もUターンして、向ってきていた。


「弘子!」

「…」


こうして、あの日から12年の歳月を費やして

運命てきな再会。

その場はお互い、それぞれお連れがあることから

僕の名刺を手渡して、音信先を教えた。


その日の数日後

彼女から連絡があり、再会することに。


お互いの近況を語り合い、親交を深めた。


彼女は

あの日以降、正式に離婚が成立して

子供と二人で、新たな人生を送っていた。


キャリアウーマンとして

保険関係の仕事などしながら、活躍していた。


プライベートは、僕以降、縁がないそうだ。


そんな彼女に僕は言った。

「弘子とは」

「以前のように、肌を合わすことはできない」

「でも、親愛しているし」

「君の人生に、何かできることあれば」

「手助けしたい」


彼女は嗚咽していた…


その後

彼女とは

【親友】

のように

【プラトニックラブ】

のように

親交を続けていった。


そして、数年後に、田舎に越していった。


田舎に越していくときに

あの日のことを聞いてみた。


「なぁ! あの免許もらいにいったあと」 

「どうして音信とれなくなったの?」

「あの日、家に電話したよ!」

「そのときに お母さんがでて…」

思わず耳を疑った。


あの日、僕が帰って電話するまえに、弘子から連絡が入っていた。


そして

僕の母から

「あなたと息子のことには 否定も肯定もしません」

「お互いの人生、納得のいくようにしたらいいと思う」

「ただ、あなたには幼少の子供がいるでしょ!」

「よーく そのことだけは 考えて」

「子供の将来に、足かせにならないように、考えなさいよ!」



そんな出来事があったとは…





End