「ねえ」
映画が終焉し、出演者などの字幕が慌しくスクロールするなか、彼女が問いかけてくる。
「ん?」
「この主人公って再会するかな?」
ラストシーンは、再会を約束して、男性主人公の海外赴任を見送るシーンで終わった。
「うーん どうだろうね?」
「茜はどう思うの?」
「う~ん 再会・・・」
「アァ ダメダメ 内緒!」
「なんやねん 途中まで言いかけて」
「ねえ! ・・・」
「うん」
「再会しないかな?」
いまや、遠距離でも、デジタル化のおかげで、愛の絆の免疫ができたかもしれない。
ただ、デジタルに甘んじて、時を身近に共にする大切さを、
どこか置き忘れているかのように、思えて仕方なく。
ひとって、いつまでたっても、アナログには変わらないし。
そんなことを思いながら答えていた。
「そっか」
茜は、かみ締めるように頷いていた。
「茜!」
「はい」
「離れ離れの時間は少なくしようなぁ!」
「うん!」
「ずっと二人で いてね!」