私の胸の
小さな傷の隙き間に
君は棲んでいる
大袈裟なガーゼの奥に



ええ
見える範囲での
リンパ節は
全部 廓清しましたから



麻酔から目覚めた私に
ぼんやりと雨が降る
そうだね
見える範囲で



だけど
君は目には見えない
いつか
君は目を覚まし
私の身体をあやつるだろう
私を動かすのは 君



それまで
恋をしてもいいですか



私は尋ねる
胸棲む君に
乱暴にはしないから
いたわってあげるから



それまで
それまでずっと
恋をするんだ



もう二度と
戻れない恋をするんだ
するんだ



私は



私は