「おーい 天使さん!」

「最近ね うざいんだけど」

「だって ミエミエだし」

いるわけじゃないけど天使に声をかけてみる。


こんなことがあった。

「ありがとうございました」

「今回のキャンペーンもいいブースを頂けたおかげで」

「大反響でした」

「あの 近いうちに お礼に 会食でも如何でしょうか?」

「それと すこし 相談があって・・・」

飲料メーカーの名うての女子チーフマネージャーからのお誘いが

「うん ぜひ!」

社交辞令で答える。


それからとゆうもの数週間毎日のように音信が鳴り響く

「部長! 今日もゆうひビールの伊東さんから 一度折り返し連絡ほしいって!」

「うんうん わかった」

アシストタントの伝言を思わず生返事していた。

なぜって?

利害が絡むのが、わかっているときは、ことあるごとに自然消滅にもちこんでいた。


こんなこともあった

担当役員のお供で銀座のクラブで

「部長さんとも もう 二年のおつきあいですね」

「いろいろ相談したいのに・・・」

チーママがなにを急に話すかといえば

「そっか 二年になるのか」

「でも 音信しても 一度も話したことないですよね」

営業がミエミエのときは ことあるごとに 無視していた。


あいつと別れてから、恋愛電源をOFFにしている。

私的な女性とのおつきあい

ってゆうか

「電気代も払ってないし」

「なんの電気代だよ」

って

ひとりツッコミながら

恋愛について考える。


そういえば

無理やり

利害や営業としか

感受しないようになっている。


あいつがあの世に行ってから


目を擦ってみると、そこには。

「あぁ 天使さん?」

「旦那さん ちょっと待ってね 連れてきたから」

天使がささやく

「誰を?」

思わず意味不明に返事してしまう。

微笑みながらカーテンの奥から、どこか見覚えのある女性が。



「あなたって バカね いつまでも真っ暗にして」

「今ね 電気代払ってきたからね」

「これからは ちゃんと 恋愛電源ONにして」

「あなたの心を」

「あなたを必要とする心を」

「明るくしてね」



「恋愛照明をつけるのよ!」