指揮を振る

両腕が

下ろされていく



幕の後ろに

引きずられていく



ふと 

何処からともなく

メロディーが

流れてくる



えり!

君の産声が


あきひこ!

君の呻き声が


とおる!

君の泣き声まで



湧き水のように

多重の和音になって

ハーモニーが

湧き上がってくる



僕を

ステージに

もどすために



指揮者として

続けていくために



ずっと

ずっと

ずっと

私たちの目印にと

訴えてるかのように



いつまでも

いつまでも

いつまでも

私たちの指揮をと

仰いでるかのように



愛しの三人の

ハーモニーが

アンコールでも

してるかのように



僕の背中に

こだまする