超ショートストーリー「BAR Beautiful」



見た目が綺麗とか

性格が綺麗とか

そんな事を論じる以前に

なにせ

存在

いや

魂が

「Beautiful」な

謎めいた

常連客が

「カラーン」



ドア鈴を鳴らして入ってきた。


カウンターに座るまで

一言も発することなく

会釈しながら

いつものように入ってきた。

「ようこそ」

「BAR Beautifulに」

「何になさいますか?」

「じゃ マスター いつもの!」

「かしこまりました」

・・・

「お待たせいたしました」

「バーボンのロックです」

「ありがと! マスターもよろしければ 一杯どうぞ」

「ありがとうございます それでは 同じものを!」

・・・

「それでは 貴女のBeautifulに カンパイ」

「はい マスター カンパイ!」

「それでは 今宵も お時間のお許すかぎり」

「ゴユルリと!」

「はい マスターも ごゆるりと!」

いつものような

何気ない会話の中に

言葉が違えど

まるで

鏡に

Beautifulを

写しだしてるかのように

薄暗い照明のなかで

彼女の席だけ

光り輝き

店内を

オーラしていた。