第三話「渚」
店の入り口で、おろおろしている僕を見かねて、先輩が手招きで席に誘導してくれた。
緊張しまくり、ってゆうか罰の悪い子供みたいな僕を、先輩が僕の肩を叩きながら。
「マスター、進はいつものやつね」
って注文する。
「はいよ」
すると、マスターが。
「お疲れ様」
とジンバックを差し出してくれる。
僕のお酒のTPOを見事に読まれていた。
とゆうのが、緊張しているときは、決まってジンバックを飲んでいた。
僕の戸惑っている姿を、横目で先輩が
「進、実は、マスター、今月で店閉めるんだって」
「えぇ~、そんなんですか?」
いきなりの閉店を聞いて、金切り声で返事していた。
「寂しくなりまね」
とつい口から出てしまった。
「おいおい、おまえあの後一度も来なかったくせに」
ってマスターのだめだし。
他にお客もいなかったせいか、みんなで、お笑いしていた。
笑い終わるやいなや先輩が。
「進、おまえ知らないけど、マスターなぁ。」
「あの後スタッフ使うことやめて、一人で、この店やってたんやで」
「・・・」
それを聞いた僕は言葉に詰まってしまった。
そしてBGMに・・・
コモドアーズのイージーが・・・
おそらく、マスターが僕のお気に入りをかけてくれたんだろう。
そして、
そして、
あの日に帰る。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
今日は日曜日だとゆうのに、めずらしくいっぱい..。
どの席も、終電の時間が近くなってるのに。
落ち着いてグラス片手に、話の華を咲かせていた。
それに客層も、ティーンエンジャーのカップルが多い。
この店の客層は、ビジネスマンやOLたちが圧倒的に多い。
休日はどちらかとゆうと暇で。
マスターがいつからか。
年中無休を、うたい文句にしたために、こうして開けている
もともとこの店は、マスターが一人でやっていて。
その後、先輩が入り、男性一名・女性一名のスタッフで。
お客のお相手を、することになったみたい。
その後、女性スタッフが辞めることになって。
その補充に、なぜか、先輩が僕に声がかかって。
男性二名のスタッフになっている。
そして先輩の卒業。
その後釜に。
マスターの知人の紹介で渚が入ってきた。
渚が入ってきて、二ヶ月が経とうとしている。
マスターは、開店前に来て、開店中は出かけて閉店前に帰ってくる。
開店中は、おのずと、渚と話す機会が多くなる。
そして、いつのまにか、渚にどこか引き込まれていった。
ただ、渚のプライベートは、シャイな僕としては聞いていない。
(どこが、シャイやね、臆病なだけやろ)
と一人でつっこんでいた。
でも、ついこの間、二人でどっか遊びに行こうと誘うことができて。
いよいよ今日は念願のデート。
「ねえー、進君!」
渚が最後のお客の勘定をすませて話かけてきた。
「うーん、なーに?」
「今日の昼の約束、忘れてない?」
渚が、顔を赤らめながら言う。
「えぇ! なんのこと?」
ちょっと、とぼけて返事をしてみた。
一週間前に約束してから、渚とは口数も少なくなって。
それに冗談ばかりで、これってゆう会話もしてなかった。
「うそぉー! まじで?」
「うそうそ、冗談、ちゃんと覚えているよ、お姉さま」
「もうー!」
渚は僕よりひとつ上の二十二で、デートの約束したときも、僕に好意があるそぶりもなくて。
(まぁ、お相手してあげるかっ)
て感じで、姉さんぶっていたから。
はにかんでいる渚を見て、ちょっとは好意があるのかと思えて、
胸をなでおろす思いだった。
そんな姿を見られたくないのか、渚がめずらしく
「後かたづけやっとくから、もうあがっていいよ」
「じゃ、二時に店の前でね。遅れないでね」
「おぉ! お疲れ!」
一応気をきかせて、遠慮せず先に帰っていった。
お互い二時どころか、一時半にそろって
渚とデートすることになった。
デートは喫茶店で延々四時間も、テーブル越しに、会話していた。
渚とデートしていろいろ話してみて、以外だったことがある。
店では、サラリーマンやOL相手に、ずけずけものを言っているのに。
もちろんお客に限らず、マスターや僕にも衣を着せずに話していた。
それが二人のときは、どちらかといえば聞き上手で、相槌がとても心地よかったこと。
僕が渚に好意をもったのは。
自分をストレートに話すところと、活発そのものって感じに惹かれていった。
受身な渚を見てますます惹かれていった。
「ところで、渚!」
「この店に来たのは、どうして?」
僕の話を、聞き役が多かった、彼女に聞いてみた。
「私ね、短大のときからBARでアルバイトしていたの」
「短大では幼児教育を専攻していて、将来はその方向って思ったんだけど」
「BARのアルバイトでバーテンダーに魅せられてしまって」
「それで卒業してからも、その店にアルバイトしていたの!」
「でもね、フリーターになってからその店のマスターが」
「将来目指すのだったら、いい店紹介してあげるから」
「そこのマスターに、いろいろ教えてもらいなさいて言われて」
「それで、Sunny・Sideにきたの!」
さっきまでとは打って変わって。
バーテンダーへの夢に、満ち溢れた、力強い口調で語りかけてきた。
「そっか! 渚が入った経緯は、マスター何にも教えてくれなかったし」
「進君、マスター、バーテンダーでは結構凄いの知らないの?」
「えぇ! ほんと?」
「そうだよ、協会で何度も賞とっているんだよ」
「それにアメリカでも賞とったことあるって、前のマスターから聞いたよ」
「ただ、そのことはあんまり聞くなよって、前のマスターから言われたけど」
「進君もつっこんだらだめだよ!」
僕がいかにも、ねえねえって、聞くとでも思っているみたいに。
いつものずけずけ口調で話してきた。
「俺はさ、そんなネームバリュー光らせるの嫌いだし、それにミーハーじゃないよ!」
「ほんとかな?」
僕がむきになって言い返そうとすると。
「ははぁ…」
渚の笑い声が響いていた。
渚を身近に見てみて思った。
すごく自分のことを真剣に考えていて。
自分の将来に、今までの生い立ちにこだわらずに。
突き進んでいく勇気をもっているなと感動した。
バーテンダーになるために。
これからもがんばってほしい。
そして応援していきたいと。
ただ僕との恋愛のレールと。
渚のバーテンダーへの夢のレールが。
どうなるんだろうと脳裏によぎった。
店の入り口で、おろおろしている僕を見かねて、先輩が手招きで席に誘導してくれた。
緊張しまくり、ってゆうか罰の悪い子供みたいな僕を、先輩が僕の肩を叩きながら。
「マスター、進はいつものやつね」
って注文する。
「はいよ」
すると、マスターが。
「お疲れ様」
とジンバックを差し出してくれる。
僕のお酒のTPOを見事に読まれていた。
とゆうのが、緊張しているときは、決まってジンバックを飲んでいた。
僕の戸惑っている姿を、横目で先輩が
「進、実は、マスター、今月で店閉めるんだって」
「えぇ~、そんなんですか?」
いきなりの閉店を聞いて、金切り声で返事していた。
「寂しくなりまね」
とつい口から出てしまった。
「おいおい、おまえあの後一度も来なかったくせに」
ってマスターのだめだし。
他にお客もいなかったせいか、みんなで、お笑いしていた。
笑い終わるやいなや先輩が。
「進、おまえ知らないけど、マスターなぁ。」
「あの後スタッフ使うことやめて、一人で、この店やってたんやで」
「・・・」
それを聞いた僕は言葉に詰まってしまった。
そしてBGMに・・・
コモドアーズのイージーが・・・
おそらく、マスターが僕のお気に入りをかけてくれたんだろう。
そして、
そして、
あの日に帰る。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
今日は日曜日だとゆうのに、めずらしくいっぱい..。
どの席も、終電の時間が近くなってるのに。
落ち着いてグラス片手に、話の華を咲かせていた。
それに客層も、ティーンエンジャーのカップルが多い。
この店の客層は、ビジネスマンやOLたちが圧倒的に多い。
休日はどちらかとゆうと暇で。
マスターがいつからか。
年中無休を、うたい文句にしたために、こうして開けている
もともとこの店は、マスターが一人でやっていて。
その後、先輩が入り、男性一名・女性一名のスタッフで。
お客のお相手を、することになったみたい。
その後、女性スタッフが辞めることになって。
その補充に、なぜか、先輩が僕に声がかかって。
男性二名のスタッフになっている。
そして先輩の卒業。
その後釜に。
マスターの知人の紹介で渚が入ってきた。
渚が入ってきて、二ヶ月が経とうとしている。
マスターは、開店前に来て、開店中は出かけて閉店前に帰ってくる。
開店中は、おのずと、渚と話す機会が多くなる。
そして、いつのまにか、渚にどこか引き込まれていった。
ただ、渚のプライベートは、シャイな僕としては聞いていない。
(どこが、シャイやね、臆病なだけやろ)
と一人でつっこんでいた。
でも、ついこの間、二人でどっか遊びに行こうと誘うことができて。
いよいよ今日は念願のデート。
「ねえー、進君!」
渚が最後のお客の勘定をすませて話かけてきた。
「うーん、なーに?」
「今日の昼の約束、忘れてない?」
渚が、顔を赤らめながら言う。
「えぇ! なんのこと?」
ちょっと、とぼけて返事をしてみた。
一週間前に約束してから、渚とは口数も少なくなって。
それに冗談ばかりで、これってゆう会話もしてなかった。
「うそぉー! まじで?」
「うそうそ、冗談、ちゃんと覚えているよ、お姉さま」
「もうー!」
渚は僕よりひとつ上の二十二で、デートの約束したときも、僕に好意があるそぶりもなくて。
(まぁ、お相手してあげるかっ)
て感じで、姉さんぶっていたから。
はにかんでいる渚を見て、ちょっとは好意があるのかと思えて、
胸をなでおろす思いだった。
そんな姿を見られたくないのか、渚がめずらしく
「後かたづけやっとくから、もうあがっていいよ」
「じゃ、二時に店の前でね。遅れないでね」
「おぉ! お疲れ!」
一応気をきかせて、遠慮せず先に帰っていった。
お互い二時どころか、一時半にそろって
渚とデートすることになった。
デートは喫茶店で延々四時間も、テーブル越しに、会話していた。
渚とデートしていろいろ話してみて、以外だったことがある。
店では、サラリーマンやOL相手に、ずけずけものを言っているのに。
もちろんお客に限らず、マスターや僕にも衣を着せずに話していた。
それが二人のときは、どちらかといえば聞き上手で、相槌がとても心地よかったこと。
僕が渚に好意をもったのは。
自分をストレートに話すところと、活発そのものって感じに惹かれていった。
受身な渚を見てますます惹かれていった。
「ところで、渚!」
「この店に来たのは、どうして?」
僕の話を、聞き役が多かった、彼女に聞いてみた。
「私ね、短大のときからBARでアルバイトしていたの」
「短大では幼児教育を専攻していて、将来はその方向って思ったんだけど」
「BARのアルバイトでバーテンダーに魅せられてしまって」
「それで卒業してからも、その店にアルバイトしていたの!」
「でもね、フリーターになってからその店のマスターが」
「将来目指すのだったら、いい店紹介してあげるから」
「そこのマスターに、いろいろ教えてもらいなさいて言われて」
「それで、Sunny・Sideにきたの!」
さっきまでとは打って変わって。
バーテンダーへの夢に、満ち溢れた、力強い口調で語りかけてきた。
「そっか! 渚が入った経緯は、マスター何にも教えてくれなかったし」
「進君、マスター、バーテンダーでは結構凄いの知らないの?」
「えぇ! ほんと?」
「そうだよ、協会で何度も賞とっているんだよ」
「それにアメリカでも賞とったことあるって、前のマスターから聞いたよ」
「ただ、そのことはあんまり聞くなよって、前のマスターから言われたけど」
「進君もつっこんだらだめだよ!」
僕がいかにも、ねえねえって、聞くとでも思っているみたいに。
いつものずけずけ口調で話してきた。
「俺はさ、そんなネームバリュー光らせるの嫌いだし、それにミーハーじゃないよ!」
「ほんとかな?」
僕がむきになって言い返そうとすると。
「ははぁ…」
渚の笑い声が響いていた。
渚を身近に見てみて思った。
すごく自分のことを真剣に考えていて。
自分の将来に、今までの生い立ちにこだわらずに。
突き進んでいく勇気をもっているなと感動した。
バーテンダーになるために。
これからもがんばってほしい。
そして応援していきたいと。
ただ僕との恋愛のレールと。
渚のバーテンダーへの夢のレールが。
どうなるんだろうと脳裏によぎった。