「ゴールデンボーイ」
原作 スティーヴン・キング
昔、我が家の押入れに乱雑に積み重ねられている文庫本の中に
このゴールデンボーイが入っていて、母親はとっても怖い話だと言っていた
当時は読書にさして興味がなかったので、手に取りはしなかったものの
この映画を見てから、手に傷ができるくらい必死に探して読みたい欲を掻き立てられた
映画と原作は後半部分からラストまで、異なる部分があるようで賛否両論、気になるところ
高校に通う16歳のトッドは才色兼備の優秀な学生である
ある授業でナチスについて学び、好奇心を掻き立てられ無我夢中に
その残虐性にのめりこまれていく
そんな頃に、彼はある強制収容所の司令官を務めていたと思われる老人に
目を奪われ、証拠を集めてそれを基に脅迫し、当時の痛ましい思い出を語らせ甦らせる
その奇妙な関係の心理状態の中で二人は自分の中にある暴力の衝動を覚醒させていく
人間の恐ろしい部分が多く含まれている作品だった
スティーヴン・キング氏の作品は今まで読んだことがなかったがこの映画を見て
とてつもなく興味をひかれた
ここまで人間の心理をうまく扱うのは容易なことではないだろう
好奇心とそのまだ幼さの残るやわらかい心に突き刺さる残虐性のある話が
一人の少年をみるみるうちに蝕んでいく様子がわかる
平穏な生活に隠れていた、当時の暴力的な部分が話をしていくうちに
むくむくと起き上ってくる、老人の恐ろしさにもヒヤヒヤとした
たとえ昔のこと、歴史のことだろうとその傷跡はそこかしこに残っているのだ
人の心にも場所にも、目や脳にもしみついている憎しみ
戦争の被害者は誰なのか加害者はだれなのか
本当のところは私にはわからないけれど、残した傷跡の深さを目の当たりにし
放心したラストでした