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山科言継 御和歌集

 

 思ふより人にしられぬ花なれや

      春たつ空の山の霞も

 

 享禄二年(1529年)正月

      ※山科さん 22歳

  廿日、丁巳、天晴、九時分に雪少下、

  今日逍遙院和漢會始候、發句、

   有明の光やけさのうす霞

  歌題初春待花、

   〜御和歌〜

  何も逍遙院之也、

 

山科言継 御和歌集

 

 春ことに綠立そふ玉松の

      いく代を君に契り置らん

 

 享禄二年(1529年)正月

      ※山科さん 22歳

  十九日、丙辰、天晴、

  禁裏御會始之御題にて、稽古に

  予一身讀候了、春松契齢、

 

山科言継 御和歌集

 

 名殘あるわかきぬ〃〃の袖のうへに

      面影うつる有明の月

 

 大永八年(1528年)六月

      ※山科さん 21歳

  六日、丙午、天晴、

  於柳原物書會候間罷候、人數老父、

  甘中、亭主、予、資直卿、伊治等也、

  晝一盃あり、予歌資直卿にみせ候、

  後朝戀、

 

 

山科言継 御和歌集

 

 この里にふるかとみれは程もなく

      はや遠かた◎に脱カ夕立の空

 

 大永八年(1528年)六月

      ※山科さん 21歳

  三日、癸卯、天晴、晩天少夕立、雷初鳴、

  今日物書會あり、官務頭也、於柳原亭あり、

  晝一盃候了、老父、甘露寺、柳原、四中、

  予、資直卿、氏直、伊治等也、予歌資直卿に

  みせ候、遠夕立、

 

山科言継 御和歌集

 

 夜をかさね日をふる雪に跡つけて

      君もやとふと松の下庵

 

 大永七年(1527年)十二月

      ※山科さん 20歳

  三日、丙午、天晴、曉雪下、

  於甘露寺物書會あり、人數例式之衆也、

  當年今日計也、晝一盃あり、予歌題、

  野亭雪、老父代雪中戀人

 

山科言継 御和歌集

 

 冬枯の木草に花をさかせつヽ

      雪に色ある野へのかり庵

 

 大永七年(1527年)十二月

      ※山科さん 20歳

  三日、丙午、天晴、曉雪下、

  於甘露寺物書會あり、人數例式之衆也、

  當年今日計也、晝一盃あり、予歌題、

  野亭雪老父代雪中戀人、

 

山科言継 御和歌集

 

 みたれたる波のさはきを岩清水

      清くすむ世と神に祈らん

 

 大永七年(1527年)十一月

      ※山科さん 20歳

  廿八日、壬寅、

  物書會於柳原亭あり、物忩之間軅而罷

  歸候了、禁裏の邊へ可打入之由候間、

  准后、西殿、正親町、萬里小路等見舞

  候了、予今日歌資直卿にみせ候、題神祇、

 

山科言継 御和歌集

 

 過にしに逢世あらめや程もなく

      十つヽとをの日はかさぬとも

 

 大永七年(1527年)十一月

      ※山科さん 20歳

  廿六日、庚子、天晴、

  柳營出來之間、甘露寺へ經遣候、奥書、

   奉爲寶珠院殿百ケ日、不顧惡筆、令書寫

   彌陀如來四紙眞文畢、

    大永七年十月廿七日  倉 部 郎 言 継

  經之包紙に一首書付候、資直卿に談合仕候、

 

山科言継 御和歌集

 

 くもりなき秋の最中を田子の浦の

      底さへみゆる夜半の月哉

 

 大永七年(1527年)十一月

      ※山科さん 20歳

  廿三日、丁酉、天晴、

  今日物書會之間罷候、於四條亭人數例式也、

  ちん餅のちん等にて酒候了、予歌資直卿に

  みせ候了、題松殘雪、海邊月

山科言継 御和歌集

 

 打かすむ空のとかにて消殘る

      雪間の松を花かとそ見る

 

 大永七年(1527年)十一月

      ※山科さん 20歳

  廿三日、丁酉、天晴、

  今日物書會之間罷候、於四條亭人數例式也、

  ちん餅のちん等にて酒候了、予歌資直卿に

  みせ候了、題松殘雪、海邊月、

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