・文末に会計報告があります
——-会計報告——-
・AID合羽橋ツアー
AID donated 50000 yen to the cat TNR and shelter compassion on Dec. 2nd.2020 (including 2000yen from AID Kappabashi tour). The receipt is on the end of this blog.
この記事は支援先の猫TNR里親会compassionさんにお送りさせていただいた、桜猫(TNRによって繁殖が管理されている地域猫)の給餌代のための緊急支援金のご報告(詳細文末)なのだが、
なぜ野良猫に餌をやる必要があるのか、
また今の野良猫の状況について疑問をお持ちの方も多いと思う。
これらについては獸木自身も現状をよく把握できてなかったので、この際少し調べてみた。
具体的なところは後半に箇条書きっぽくまとめておくので、手っ取り早く答えを知りたい人はスクロールして、「野良猫の今」というタイトルのあるあたりから読んでね。
最近
ここで猫に餌をやらないでください
という看板が各地で増えてきてるのに、みんな気がついてるかな?
ハトのエサやり禁止とか、野生動物のエサやり禁止とかの看板は前からあったものの、野良猫のは前はあんまりなかった気がするよね?
野良猫についてはその人との関係性によって考え方や感情はいろいろだと思うが、他の野生動物や鳥、野良犬などと比べると、比較的人間社会と共存してるというか、暗黙の市民権を得てる印象が獸木にはあった。
獸木自身も昔、お向かいの青山さん夫妻とフリスという野良猫とその愛人2匹を、お金を出し合って避妊手術しながら両家で餌を与え、半野良として面倒見てたことがあるし、両親の住んでたペット禁止の団地でも、野良猫のミケちゃんを団地の人が数人で、終生面倒を見ていた。
ミケちゃんは夕食時は各家を回って御馳走をもらうのでキャットフードなんかには目もくれず、獸木の母とかもお刺身なんかを彼女用に用意していたものだ。
元々お米を食べるネズミを殺して食べてくれるから人間と共存するようになったと言われる日本の猫。かつてはエサは人間のおこぼれをもらう程度で半分自活し、飼い猫と野良猫の境界も曖昧だったことだろう。
犬にしても然りで、人間のおこぼれをもらい、狩りや家畜の行動管理、警護などに協力することでだんだんと人間と暮らすようになってきたわけだ。
獸木が最後に野良犬の集団と付き合った?のは80年代後半か90年代前半のこと。
住んでいたのは池袋近辺だったからかなり都会だが、ふと気がつくと自分のうちの猫が家の前で仁王立ちになった野良犬のボスに睨まれてコチコチに固まっていた。
その場には一瞬で感じ取れるただならぬ気配が満ちていて、獸木も自分が人間なことも忘れて、猫のようにシャーと威嚇してボスを追い払った記憶がある。
このボスは数頭の群れを引き連れていて、近くの空き地にしばらく住んでいた。
飼い猫を一瞬夕食に吟味されてたかも知れない獸木も、何回か残り物をお裾分けに持って行ったことがあるが、他のメンバーは空き地の奥に留まっていて、ボス犬である彼が毎回必ず獸木と食べ物をチェックしに来た。
決して人に慣れてはいないが危害を加える様子もなく、最近の飼い犬のようにむやみに吠えたり怯えたり興奮したりする者もおらず、穏やかで、完全に統制とバランスの取れた、あるべき姿の犬の群れ。
もちろん彼らはすぐに姿を消した。子犬一匹は近所の人に保護されたそうだが、他の者は保健所に連れて行かれて言わずと知れた末路をたどったのだ。
日本でも自然の多い場所にはまだ野犬がいるのかも知れないが、獸木にとってはその時が野良犬という存在がこの世から姿を消した最後の瞬間だ。
その瞬間からざっと30年くらいたった今、エサやり禁止の看板があちこちに出現して、獸木が勝手に市民権を得ていると思っていた野良猫の立場やエサのやり方も徐々に変わってきたらしい。
最近の野良猫は、代々外で暮らしていた者も中にはいようが、元々飼い猫だったのが捨てられたり、家出したりして放浪してる者やその子孫がほとんどだろうから、野良猫自体も前とは違った種族になっているのかも知れない。
野良猫という存在はこの先どうなるのか?
そして今はどの段階なのか?
野良猫問題を国中で話し合ってどうするか決めたという話も聞かないし、いずれにしても中途半端な状況で、これからもいろいろ変わって行くのに違いないが、ざっくり調べてわかった野良猫の今をまとめてみた。
——野良猫の今——
野良猫や餌やりの現在を調べて見つけたのは以下のリンク。
野良猫と餌やりの現状:
適切な餌のやり方についての記事:
最初に書いたように野良猫についてはいまだ意見は様々で、地域や生活環境によっても状況が違うが、大雑把にまとめると
・現在野良猫は、人間の管理下にあるかないかで、野猫と地域猫(さくらねこなど)等に大雑把に分けられる。
・地域猫活動(TNR活動)は、野良猫の去勢と、必要に応じて給餌、環境整備、健康管理を行い、またできる個体は里親を見つけるなど動物福祉にのっとったやり方で徐々に野良猫を減らすことを目指している。
つまり地域猫は、現在飼い猫と野良猫の中間くらいの位置づけで、野生化した野根とは一線を画している。
——-なぜ地域猫に給餌が必要なのか?——
<人間サイドの理由>
地域猫は繁殖抑制、生態系への悪影響や排泄物による迷惑回避などのため、人間の管理下に置かれることが前提となっているが、食べ物や飲み水が確保されないと猫はテリトリーを移動するしかないため管理下に置くことができず、捕食やゴミ漁り、排泄物問題など人間にとっての不都合が増える。
<動物福祉的理由>
飢え、農薬などに汚染された飲み水やゴミ漁りによる食中毒などで地域猫の健康を悪化させないため。
健康被害があった場合、TNR保護団体などによる治療が必要になり、ボランティアの負担が増し、TNR等管理、強いては結果野猫問題解決も遠のく。
<その他の双方へのメリット>
給餌されている地域猫は頭数管理も容易で、野猫に比べ人に慣れやすく里親も見つけやすい。
動物福祉に乗っ取って野良猫の存在を減らす方法としては、去勢し終生を全うさせるか、里親を見つけるかの二択なので、(野良猫の撲滅がゴールと仮定すれば)問題の解決が早まる。
——保護団体にのしかかる負担——
今回AIDで緊急に支援金をお送りさせていただいたのは、猫に餌をやらないでください看板が増えたことに関係あるかどうか、今までTNR現場で地域猫の餌やりをしてくれていた人が突然姿を消し、AID支援先のcompassionさんが上記の理由から給餌をしなくてはならなくなったから。
近年の犬猫殺処分数の減少傾向は一重に保護団体の努力によるものと言われている。
行政や一般の対応も少しは変わっているとしても、主に一部の人の献身だけで日本の犬猫動物福祉改善が行われているわけだ。
compassionさんは市民団体なので、行政が助成金でTNRなどの一部資金を支援しているが、たくさんいる地域猫の餌代まではカバーできない。
しかし一般の人の餌やりが途絶えてしまうと、せっかく自分たちで行ったTNRの効果も上記の理由で無効になるから、自分たちで餌やりを行なわざるを得ない。
compassionさんには市に寄せられる保護やTNRの依頼が行政側から次々回されてくるが、基本たった3人の活動なので、現状では優先順位の高いTNRから地道に対応していくしかなく、餌やりは金銭的にも作業的にも新たな負担となっている。
——個人で野良猫にTNRや給餌を行いたい場合——
ルールは常に変わって行くだろし、地域によっても対応が違うと思うが、もう一度リンクを貼っておくので、こういう記事を参考にしてほしい。
適切な餌のやり方についての記事:
給餌は、”なぜ給餌が必要か”の項目に挙げた理由で、適切な方法で行えば保護団体の負担が減り活動の助けとなる。
理想は保護団体にコンタクトしてアドバイスを受け、連携して行うことだろう。
互いに協力でき、苦情が出たりトラブルがあったときも相談できるし、何かと心強いはずだ。
野良猫に心を砕く人たちが互いにつながって活動が広がれば、野良猫の立場もそれだけ有利になる。
TNRはできればした方がいいが、猫の数によって個人のTNR等が不可能な場合は保護団体等に相談して、協力しながら行って行こう。
家の庭先に来る野良猫など少数の場合は、個人がTNRやコンスタントな給餌で管理、場合によっては家猫にすることによって、比較的無理なく地域猫活動に寄与できると思うが、野良猫によっては餌は食べに来るがなつかず捕まえるのが難しい場合、捕獲器などが必要になるが、行政などが貸し出しを行ってくれるところもあるらしいので探してみよう。
どうしてもわからない時は、保護団体でもTNR方法を教えてくれると思う。
また検索するとボランティアまたは一般より安価で野良猫の去勢を行ってくれる病院がヒットすることもある。
——-その他の支援方法——-
・お金やエサの支援
支援金などの需要はその時の状況によって変わる。
保護団体はブログなどを持っていることが多いので、マメにチェックしていると支援金や餌や物資支援願いが上がって来る。
保護子猫が増える時期の授乳代など季節によって発生するものや、予期せぬ病気や怪我の医療費、多頭崩壊など緊急のものなど様々。
団体がフリマやグッズの売り上げで資金をまかなったりすることも多いので、利用することでも支援ができる。
・情報拡散支援
お金や物資の支援に限界があっても、いつでも簡単にできるのが情報拡散支援。
緊急の物資支援願いなどをSNSで拡散するのは手軽で効果的なバックアップとなる。
最後に、
野良犬へのノスタルジーを除いて今回の解説記事も感情的な部分を省いていて、動物へのcompassionが全然ないあっさりしたものになってると思うが、アニマルライツは様々な問題の中でも推進派反対派双方が感情的な部分で加熱して論点を見失ったり対立しやすい分野なので、記事を書く時は実質的なところに的を絞っている。
またAIDはアクティビストと一般の人との橋渡しを目指すその中間にあるコミュニティだが、アニマルライツは動物の好き嫌い無関心に関わらず結局人間みんなの問題なので、野良猫問題も社会全体で合意点を見つけ出し協力して、猫も人間も幸せな未来に到達できればと思う。
そんなわけで、今回は緊急支援としてAIDから50000円を、支援先TNR猫里親会compassionさんにご送金させていただきました。
この中には11/30 2020開催のAID合羽橋チャリティツアーからのご寄付2000円が含まれています。ツアーにご参加いただきました皆さん、ありがとうございました。
会計報告は以下をご覧ください。
寄付日 Dec.2.2020.
寄付額 50000 yen (うち2000円は以下ツアーから)
寄付先 compassion
寄付先 compassion
・AID合羽橋ツアー
開催日 Nov.30.2020
参加費1000 yen以上の寄付 x参加者2名
計2000 円
AID HP http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~bigcat/index.html
支援先について
AID HP http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~bigcat/index.html
支援先について
http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~bigcat/AIDDonation.html
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