地球巡礼者 | BIG BOYSオフィシャルブログ Powered by Ameba

地球巡礼者

 
チベットに行ってきました。

何だか思いつきの勢いでチケットをとったものの、
その後に入域許可書なるものが必要と言う事を知り、
しかもそれが出発の3日前、何とかならんものかと色々な
旅行会社をあたったもののどこも10日以上かかると門前払いをくらい、
泣く泣く色々な友人をあたったところ、翌日「何とかとれそうだよ」と
旅行会社を紹介していただき現地の受け渡しという事で何とか行ける事になった。

ちょうど偶然にも上海経由の便だったので、ちょっくら万博に
お邪魔し、一番人気で絶対入れないと言われていた中国館にも何故か入れてしまった。

そんな幸先の良い感じで、上海から四川省の成都に飛び、一泊。
四川と言う事でマーボー豆腐の有名店「陳麻婆豆腐店」で
一人マーボー豆腐を食らった訳だがこれが本当に辛い。

辛さの中にも濃くはあるのだが後で食べた坦々麺が甘く感じたほどだ。

翌日には富士山と同じくらいの標高に一気に飛ぶので
高山病対策に為にもお酒は控える事に。

そして翌日、待ちに待ったチベットへ。
前日の成都で久しぶりに映画「セブンイヤーズ・イン・チベット」でおさらい。

年をとったせいか、随分昔と見方が変わって相当面白かった。
そして映画の中で見た美しい景色を脳裏に焼き付けたまま、チベットのラサへ降り立つ。

これでもかってくらい山脈を低空飛行して
空港へ降り立った瞬間は本当にぞくぞくして感動した。

その後も車で街まで走る中での景色は素晴らしいもので
どこを切り取っても絵になる美しい景色が続いていた。

しかし、街に近づくにつれ、車も増え、
当たり前だが建物もすこしずつ近代化していった。

それどころか、SONYの看板が見えたり、高いビルのような
建造物が見えたり、何だか想像とあまりにも違う。
そして、街の至るところに武装警察が沢山いて
何とも僕のワクワク感が一瞬にして覚めてしまった。

おまけにホテルの周りは完全に
観光化されていて英語表記にお土産屋ばかりだ。

ちょうど僕が行ったときがチベット仏教の祭典期間と言う事もあり、
街中には五体投地で巡礼している人達や僧侶達も沢山いた訳だが、
携帯で電話している僧侶もいるわ、やはり想像していたものとは遥かに違う。

さらにはあのダライラマが住んでいたポタラ宮殿の前はれいに舗装されて道路が
走り、大きな公園には噴水まであって夜になるとライトアップまでされる。

そう、もうあの映画で見た神秘の国はここにはないんだぁ。

初日から大きなショックをうけ、自分の勘を信じてきたものの
何か今回の旅は失敗だったのかなぁっとガックリ肩を落とし、
ホテルに戻った頃、さらに追い打ちをかけるように高山症状の頭痛が僕を襲う。

初日で休まなきゃいけないのにも関わらず、
いつものようにちょっと動きすぎたせいもあったし、
これだけ近代化されているとどうも自分が富士山と
同じ標高にいる事すら忘れてしまう。

とにかくゆっくり休む事にして、翌日に備える事にした。

翌朝、天気予報は雨だったのだが、外を見ると
真っ青な青空と力強い太陽がお目見えしていた。

僕は天気がいいと一気にあがるので昨日の
凹みなんて一気に忘れて外へ飛び出した。

とにかくこの日はラサにある伝統的な
場所をまわろうと色々な僧院や寺をまわった。

前述した通り、この時期はチベット仏教の祭典時期のため
どこもかしこも巡礼の人で込み合っていたのだが、みんな教典を唱えながら
行動しているので、その音がずっと僕の周りを包み込み、
何とも不思議な空間にずっといるような気がした。

チベット仏教の考え方には輪廻転生があり、現世での
行いがあの世や来世の自分を創ると言われている。

だからこそ、何百キロという山道もゆっくり五体投地で進めるわけだ。
僕には信仰するものはないが、その力は本当に凄いと思う。

そして、かつてあのダライラマが住んでいた
「ポタラ宮殿」にももちろん行き、チベット仏教の偉大さを肌で感じた。

考えて見れば、世界中でその地の主の住んでいるお城を
リアルに拝見できるところなんて滅多にないので、その宮殿を
見学して回れる事は極めて貴重な体験だった。

中での撮影は厳禁だったが、ほとんどのものが当時のままの
姿で残っているので宮殿内にいると時間がタイムスリップしたようで何とも言えない感じだった。

そうしてこの日は色々なチベットの歴史に触れる事が
でき、何だか僕の心にも変化がでてきた。

考えてみれば、僕たち日本人も昔は
外国から鎖国して神秘の日本という島国で暮らしていた。

しかし、今や近代化されたコンクリートジャングルに囲まれた
都市で暮らしている事は多くの人にとってそれらが当たり前になっている訳だ。

正直、行く前は「フリーチベット!」って言う気持ちで
チベットへ飛んだのですが、今は今で多くのチベット人などが
その近代化された街で当たり前のように暮らしている訳です。

もちろん、チベットに中国が侵略する前に防ぐ事ができていたなら
あの映画の中のような美しいチベットが今もそのままの姿で残っていたでしょう。

しかし、今となってはそれは過去の事であって
あの頃の姿には決して戻る事はできません。

何だか、チベットにいながら日本の事も考え、
平和ってなんだろう、僕らは大変便利な時代に生きているけど
これも戦争がなければこうではなかったのではないかって本当に複雑な気分になった。

もちろん戦争が正しかったなんては決して思わない。
同じ人間同士が戦うなんてばかばかしいし、世界中が
平和でいてくれたらなんていいんだろうって強く思う。

Love&Peaceって言葉にするのは簡単だが
本当の平和、愛とは何なのか深く考えさせられた。

片一方の情報にとらわれるのではなく、
もっと自分の目で正しい情報を知らなくてはならないと。

幸いにもこれからのメディアというのは誰にでも真実を
伝える権利が与えられてくる訳で、それらのどのチャンネル
を選ぶかは自分自身という事になってくる。

とにかく楽しいとか嬉しいとかそういうんじゃなくて、
こんな気持ちになった旅は初めてで、チベット二日目に
して今までとは全く質の違う旅になりつつあった。

そして三日目、今日は街を離れ標高5000m付近に
ある湖に一気に駆け上った。

この日もまだ僕の頭痛は続いていた訳で、
途中で頭痛薬を飲んだりはしたが、それでも痛みは治まらない。

しかし外に流れる景色は格別に美しい。

高地で強がっていても仕方がないので
途中で酸素ボンベを購入し、吸引する。

おそらく人生の中で陸地で初めて
酸素を吸引したが、これが結構落ち着くもんです。

そして、こんな高地の山でも五体投地の巡礼者に
出会う訳ですが、どうやら世界で最も高地で生活する
チベット人は遺伝子レベルで僕らとは明らかに違うみたいです。

まぁそれを聞けば納得ですが、やはり高地での
行動は僕ら日本人には結構大変です。

そして、いよいよ湖に到着するのですが
途中に見える景色も本当に素晴らしかった。

山々にはまだ所々雪がかぶり、そんな中でも強い日差しは
照りつけ、遠く見える草原にはヤクや羊が沢山いた。

ここだけはあの頃の美しいチベットが
残っているようでなんだか嬉しくなった。

そして、高度と上昇と共に景色の美しさも増し、
僕の気分も高揚していった。

そして早朝ラサを出発して走る事約5時間、
世界で一番標高の高い湖「ナムツォ」に到着した。

この地についた瞬間の感動は言葉では表しきれない。
一つ言えるとするならば僕が人生の中で見た中で最も美しい湖である、
という事には間違いない。

もうこれでもかってくらい湖も空も青くて、自分がこの地球上に
いる事を忘れてしまう程だった。

そして、そんな景色を見ていたら高山症状なんて一気に吹っ飛んでしまった。
一週間前の単なる思いつきが、今では世界で最も高いところにある湖にいるのだ。

何とも人生というのは何がどうなるのかわからない。

到着した時は失敗したと思ったこの旅も、何だか僕の人生に
おいての大きなターニングポイントとなりそうな旅へとなりつつあった。

一見は無茶な事でも自分の直感を信じて行動する、という事を
こんな短い旅で改めて教わった気がした。

そして、美しい景色、空気、音、全てを自分の中に
吸収し、チベットを去る。

たった一週間で僕の考えは大きく変わり、
東京に到着するととても美しい夕日が出迎えてくれた。

あぁ24時間前にチベットで見たあの美しい太陽だぁ。

僕たちは同じ宇宙の中にいる。

そんな感覚を噛み締めながら、元気ロケッツが行っていた
3D Liveへと流れ、そしてそこに集まる素敵な仲間達と再会し、
僕らの生きている時代と次元の深さを改めて実感したのでした。

僕らは地球巡礼者。

どこかへ行く事が必ずしも大事ではないけども、
この宇宙の中で、そして地球上に生きている事の
奇跡の毎日をいつまでも感じて生きたいと思った。

KK

P.S
次は神の山 カイラスへ!


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