夜 夜。布団の中で思う。 波の音が波の音が聴こえたら。 風に揺れるヤシの木の音が聴こえたら。 ここは東京。何も聴こえない。遠くで車の走る音。 コンクリートは私に何も教えない。虫の鳴き声さえ聴こえない。 夜空を見上げても星はない。 東京は息をしているんだろうか?空気が冷たくて苦しくなる深い夜。 風を全身に感じ、大地に身をあずけて、波の音に静かに耳を傾け、星のように輝くものを胸にそっと抱きながら眠りたい。 夜。得体の知らない何かに押しつぶられながら眠りにつく5分前。