秋の味覚で楽しみなもの ブログネタ:秋の味覚で楽しみなもの 参加中

もし俺が海沿いの大邸宅に住んでいたら、知友を招いて、秋刀魚パーティを開きたい。秋刀魚の食べ方にも色々あるようだが、基本は塩焼きであろう。新鮮な秋刀魚を炭火で焼いたら、格別に美味しく仕上がるに違いない。酒にも合うし、飯にも合う。想像するだけで、食欲が刺激され、胃袋が活発化する。

最近の俺は炭火の魅力にとり憑かれているのだが、アパート暮らしの身では、七輪を持ち込むわけにもゆかぬ。実行したら、隣室や近所の人から苦情が殺到するのは避けられないし、場合によっては、消防車を呼ばれるかも知れない。魚に限らず、肉も野菜も、炭火で焼くとどうして美味しくなるのか?そこには、科学的理由がちゃんと存在している。炭火の効能に関しては、雁屋哲の『美味しんぼ主義』(角川文庫)に詳しく述べられている。興味のある方は古書店などで探してみてください。

炭火が放射する遠赤外線は、波長が長い。波長が長いということは、浸透性が高いということだ。浸透性が高いということは、素材の核心まできっちり焼ける(火が通る)ということである。又、そんなに神経質にならなくても、結構うまく焼けるあたりも、炭火の利点と言えるだろう。


先月、炭火で焼いたニンニクを試してみたら、あまりの美味しさに、吃驚した。ホクホクとした食感も素晴らしい。味つけは塩のみだが、その他の調味料はまったく必要なかった。技術技巧とは無縁、原始料理のなにものでもないが、芸術性に富む高級料理よりも、蛮人たる俺には、こちらの方が相応しい。いつの間にか、話が秋刀魚からニンニクに移ってしまったが、脱線や暴走は、毎度のことなので御容赦いただきたい。


電気とガスは便利だし、両エネルギーの供給がストップしたら、俺たちの生活は成り立たない。成り立たないが、調理熱源としての機能は、炭火の方が両者よりも数段勝っているようである。七輪が主流だった頃の日本の食卓は、一見質素な印象を受けるが、現代日本の食卓よりも、はるかに豊潤であったと言っていい。だが、その時代に戻るというのも無理な相談である。俺たちは〔後戻りのできないところ〕まで来てしまった。先に何が待ち受けているのかはわからないが、前に進むしかないのだ。