新しい波平さんにエールを送ろう ブログネタ:新しい波平さんにエールを送ろう 参加中

二代目波平が茶風林さんに決まったと知り、ちょっと意外な気がした。大役を引き継がんとしている茶風林さんには誠に失礼な話だけど。柴田秀勝、小林清志、大塚周夫、飯塚昭三、麦人などの重鎮クラスが起用されるであろうと勝手に考えていたからである。

この駄文を書く前に、茶風林さんについて調べてみた。初代波平=永井一郎ほどではないにしろ、彼も芸歴の長い(洒落じゃないよ)声優さんである。実績もあるし、場数も踏んでいる。

ベテランの域に達していると判断して良いだろう。どうやら、磯野家の家長を任せても大丈夫なようである。


今回の抜擢は、オーディションの結果なのか、演出家の指名なのかはわからないが、波平役を代表作のひとつに加えてもらいたいものである。前任者のイメージを崩さないようにすることも大切だが、いずれは、茶風林さん独自の波平像を築いて欲しい。口で言うほど簡単な仕事ではないが、精進していただきたい。旅立たれた永井さんも、きっとそれを望まれている筈である。それにしても、ネオ・アトランティスの兵士を演じられていた茶風林さんが、磯野波平を射止められるとはね。

確実に実力を蓄えられてきたのだと感服する。地道な努力が実を結んだのだ。初陣の日を迎えられた二代目の心境が聞きたい。


昨夜の〔FMシアター〕は、永井一郎出演の『2233歳』の再放送。約50分のラジオドラマである。このドラマには不思議と縁があって、本放送も聴いているし、その後の再放送も聴いている。これで三回目だ。永井さんは一応助演だが、ほとんど主演級の扱いであった。永井さん演じる久永老人は、出自も経歴もわからない謎の人物である。2233年という途方もない時間を生きてきた…らしい。

痴呆患者の妄想に過ぎないはずなのだが、久永翁の話には、なにやら真に迫ったものがあり、実際に体験してきた人間にかわからないような説得性を帯びている。虚言と片づけてしまうには惜しい内容なのである。果たして彼は何者なのか?人魚の肉でも食べたのか、あるいは、サンジェルマンばりのタイムトラベラーなのか?時間SFの要素と老人介護というシリアスな題材を融合させた異色劇に仕上がっている。ラジオドラマはこのような実験が許される分野なのだ。活字同様、表現の幅が広いのである。


久永翁の介護担当者に命じられた主人公真由子は、彼の話を通じて、歴史の闇に葬られた〔負の部分〕を知るようになるのだった。収録当時の永井さんは80歳ぐらいかな。声質にも演技にも衰えは感じられず、まだまだ活躍されるだろうと信じていたし、本人もそう考えていたに違いない。翁が臨終を迎える場面では、不覚にも涙が出そうになった。役の姿と演者の姿が頭の中で重なってしまったからである。

番組の最後には、追悼のメッセージが添えられていた。制作側の真摯な態度に俺は胸を打たれた。