ルパン三世の登場人物、誰が好き? ブログネタ:ルパン三世の登場人物、誰が好き? 参加中

『ルパンVS複製人間』は1978年12月に公開された作品である。ルパン映画の最高峰と言えば、宮崎駿が監督した『カリオストロの城』(1979年)になるのだろう。

『カリオストロ』は俺も大好きだし、宮崎活劇の頂点ではないかとさえ思っている。だが、これは『ルパン』を偽装した(?)宮崎映画であって、ルパン映画としての純度は『複製人間』の方が勝っている気がする。

ルパン、不二子、次元、五右ェ門、銭形…鉄壁の五人衆に不死身の怪物マモーが加わって、抜群の面白さを構築している。マモー役に起用された西村晃の演技も素晴らしく、長いシリーズの中でも、一、二を争う横綱級の好敵手が誕生した。

なにしろ、一万年の時間を体験し、人類の歴史を影から操作していたという大妖怪である。相応の実力者に任せなければ〔役の重み〕に潰されてしまう。

難しい仕事だが、流石は百戦錬磨の西村さんである。荒唐無稽、法螺の極致とでも呼ぶべきキャラクターに説得性と存在感を与えている。

不気味ではあるが、適度なユーモアも漂わせている。コピーマモーの哀れさ、オリジナルマモーの重々しさ、臨機応変の演じ分けが見事。登場人物、誰が好き?と、問われたならば、即座に「俺はマモー」と、こたえたい。だが、そんな項目は用意されていないので、選びようがないのである。せめて〔その他〕を設けて欲しかった。


『複製人間』を観る(聴く)度に芸の幅と深さに驚かされる。西村さんの主戦場は当然実写だが、声優としての技量も極めて高い。いや、俳優とか、声優とか、職種の区別そのものがナンセンスかも知れない。演技とは全身を使ってやるものであり、決して〔首から上〕だけで成し得るものではないからだ。その辺りを勘違いしているプロの方(自称とまでは言わぬ)が、最近増えているような感じがしないでもない。

舞台や撮影の経験は、声優業の糧であり、決して無駄にはならない。むしろ、自ら望んで飛び込んでゆくべきだろう。演技者たるもの、それぐらいの貪欲さや積極性がなくては、とても生き残れまいと思うのだが、案外生き残れてしまうのが不思議ではある。無論例外もいるだろうし、皆さん、努力と精進を重ねられていると信じたいが、全体的な水準は下降している…というのが、俺の抱いている印象である。

試みに当代の人気者を集めて、順番にマモーを演じてもらうと良い。おそらく、大半の人が、マモーの毒気に負けてしまうのではあるまいか。


世界一の泥棒を自認するルパンから〔大切なもの〕を盗んだ(あるいは、奪った)ところが、マモーの凄さである。それは有形のものではなく、無形のものではあるが、ルパンが被ったダメージは浅くなかった。このキズを埋める方法はただひとつ、マモーを打倒するしかない。盗賊の面子と自身の存在性を懸けて、ルパンは宿敵の牙城に単身乗り込むのである。その前にかわされる次元とのやり取りも秀逸だ。