DVD第7巻には、第18話『消滅!ミケーネ最後の日!』第19話『遺恨!くろがね屋の一番長い日!前編』『同・中編』の計三エピソードが収録されていた。


第16・17・18話では、光勢力と闇勢力が手を組んで「共通の敵」に立ち向かうという予測外の展開が用意されていた。ミケーネの化物―戦闘頭脳ケドラの暴走が、前代未聞の共同戦線を実現させたのだ。冒険行の案内人はあしゅら男爵が務め、マジンガー&五人衆が禁断の領域へ突入する。妖魔の記憶に潜り込む―サイコ・ダイバー的な面白さに加えて、タイム・トラベル的な趣向も凝らされている。

親子の確執、男爵の葛藤、神々の戦い…テレビシリーズとは思えない豪勢な内容であり、一度観ただけでは把握し切れない濃密さ、濃厚さを誇っている。あるいは「DVDで繰り返し観る」事を前提にして作られているとも考えられる。

兜甲児とゼウスの「邂逅の場」に至っては、物語的矛盾の発生が気になるものの、猛烈なカタルシスが、巨波と化して、不満や疑問を押し流してしまうのだった。


劣勢に追い込まれたゼウスの救援に、我らが兜甲児が颯爽と駆けつける。弟のシローがこの光景に接していたら「カッチョいい!」と叫んだに違いない。シローが不在ならば、視聴者が代役を演じても支障はあるまい。初対面の筈だが、二勇者はまるで長年の同志のように行動する。ヒーローとヒーローに言葉や時間は不要なのだ。両雄は一目見ただけで、相手が何者かを悟ったのだろう。互いに流れる正義の血潮が激しく共鳴して、邪悪の帝王を粉砕する。英雄共演は何度観ても気持ちが好い。構図、作画、演技、音楽、全ての歯車が滑らかに噛み合っていた。


ゼウスの声をベテラン矢島正明が担当している。甲児役の赤羽根健治が、矢島先生クラスの大声優に進化してくれれば、同場面は「歴史的共演」としての輝きも帯びるわけだが、それは赤羽根の成長の具合にかかっている。健治君、頑張ってくれ。健治と言えば、ゼウスの宿敵―冥王ハーデスに扮した内海賢二の演技も素晴らしい。年齢を感じさせない熱演力演は、まさにプロフェッショナルの仕事。往生際に吐き散らす怨みの台詞も絶品である。冥王の怨念は凄まじい。第1話『大団円』に登場した「暗黒大将軍」は復活(転生?)を遂げたハーデスの姿かも知れない。