DVD第4巻には、第9話『発動!日本侵略作戦!!』第10話『鉄壁!くろがね五人衆!』第11話『挟撃!機械獣大作戦!』の、計3エピソードが収録されていた。
第10話『鉄壁!くろがね五人衆!』は、まさかまさかの爆笑篇。東京にゴーストファイアー、大阪にトロスD7、名古屋にキングダンX10…機械獣三体による同時攻撃が日本列島を震撼させていた。あしゅら男爵も必死である。彼(彼女?)も追い詰められている。悪役も辛いのだ。マジンガーZに敗れる度に激しい叱責(ほとんど拷問に近い)を浴びせられるのだから、いくら不死身とは言え、堪ったものではない。
この辺り、売れないセールスマンの悲劇を連想させる。結果を出している内は会社は黙っているが、成績が下降線を辿り始めると、締めつけが厳しくなる。俺も随分バカにされたものだ。まあ、無能なんだから仕方がないが、こいつにだけは言われたくないというアホ面上司にまで罵倒されると、さすがに怒りが湧いてくる。俺の同僚などは連日「給料泥棒」と罵られ、精神が瓦解してしまった。
但し、ここで暴力に訴えたりすると、牢屋に入る事になるから中止した方が良い。俺達には「辞表を出す」という最終手段が残されている。好きでもない仕事を嫌々続けていても、互いに無益である。さっさと辞めるのが一番である。
しかし、あしゅら男爵の場合は退職すらも許されない。今更、どっかの企業に就職するわけにもいかんでしょう。結構優秀なセールスになれるような気もするけどね。それは冗談として、マジンガーZを撃滅(あるいは、奪取)する以外に、あしゅらが、苦境を脱け出す方法はないのである。
ヘル勢力との早期決着を望む甲児に対して、つばさは奇妙な試練を彼に与える。仲居の婆さんの肩を掴むという簡単なものだが、この老婆、異様に素早い。甲児が妖婆相手に苦戦を強いられている間、ゴースト、トロス、キングダンの三獣は、各都市を蹂躙、我がもの顔で暴れ回っている。あしゅらの作戦は執拗を極める。さやかを愛機ごと捕らえたかと思えば、強力な刺客を放って、甲児本人の命も狙う。
逗留先のくろがね屋が激烈な戦場と化すが、この際に大活躍を演じるのが、甲児ではなく、旅館の従業員というのが面白い。つばさの旗本隊―くろがね五人衆は、殺戮アンドロイド―ガミアQシリーズと互角に渡り合う戦闘力を備えており、メンバーの中には『光子力爆弾』を内蔵している化物までいる。例の老仲居は五人衆最強を誇る手練であり、超合金製の糸を駆使して、敵を粉砕(分解)する怪物である。
ガミアシリーズと五人衆との死闘が始まるまでの喜劇部分を、暗黒寺とシローが担っている。暗黒寺の「くろがね屋がハレンチ学園になっちまったぞ!」という名(迷)台詞は絶対に聴き逃せないし、八十八や順平が憑依したかのようなシローの悪童ぶりも特筆に価する。クロスと直次郎を組み合わせて使う辺りは「絶妙…」と表現したくなる。原作のアクの強さを生かしながら、独自の世界を構築している。くろがね屋は、永井萬画の版図に建設された、今川動画の牙城なのである。