睦月某日。屋根裏部屋を整理していたら、クリーニング店のビニールに包まれた外套が一着出てきた。全身をすっぽり覆えるタイプである。酷いもので、外套の存在自体を忘れていた。移住翌年の冬は共に過ごした相棒だと言うのに。

その日は晴天であった。俺はビニールを破ると、ベランダの物干し台に「発掘外套」を吊るした。作業を進めながら、この外套を「寝袋」として使えないだろうか?という奇妙な考えが頭に浮かんだ。今年の冬は寒い。ありったけの毛布と布団にくるまって寝ているが、それでも寒いのである。冷え込みが厳しいと、寒さで眼が覚める朝もある。気がつくと、肩の辺りが無防備になっている場合があり、風邪の発症にも繋がってくる。今の俺に風邪を引いている余裕などない。

試しに外套を着用して寝てみたら、抜群の防寒効果が得られた。これなら、敷き布団と敷き布の間に仕込んである電気毛布も要らないぐらいである。心地好いあたたかさが、快適な睡眠へと誘ってくれる。電気代が節約できる点も良い。

俺も結構知恵が回るようになってきた。どうやら、貧乏は人を賢くするらしい。色々思案を巡らせている内に半分死んでいた脳細胞が蘇ったようである。

窮地に追い詰められないと、発現しない能(脳)力もあるのだ。