師走某日。ダメじゃん小出の時事漫談を堪能した。会場は東中野にあるポレポレ坐。劇場と映画館とカフェが融合した理想的空間である。カフェと言っても、珈琲紅茶だけではなく、アルコールも用意されている。チケット購入者には「1ドリンクサービス」という嬉しい特典が付いており、開演を控えて、店内は賑わっていた。劇場はカフェと隣接しており、扉の向こうに「異世界が広がっている」という趣向である。


小出氏の描き出す異世界は、俺達の住んでいる世界と地続きである。選挙前を意識してか、今回の公演は政治喜劇を中心にして献立が組まれていた。俺としては望み通りの内容である。舞台と照明と音響効果。そして、簡単な小道具。逃げ場のない境遇の中で独自の芸が炸裂する。各政党の代表者を見事に演じ分ける技量にも感心したが、日常の中に眠っている「鉱脈」を確実に掘り当てる鋭敏な嗅覚にも驚かされる。サバイバルゲーム体験記や横柄な地下鉄運転手とのやり取りや大道芸ライセンスの取得に至る経緯など、政治以外の出し物も充実していた。


お客さんの反応も良く、場内は幾度も爆笑に包まれた。皮肉と嫌味の配合具合も絶妙であり、時折「はっ」と、させられる。笑いの奥に核心を貫く寸鉄が秘められているのである。俺もブログを更新する際に心がけたいものだ。読者を「はっ」とさせる要素がなければ、駄文どころか、屑文になってしまう。

終演後、小出氏のボランティア仲間の方と会話の機会が得られたのも、意想外の展開であり、貴重な体験であった。氏の幅広い活動は―本人の意識は別として―客層拡大にも繋がっているようである。


☆ポレポレ坐…中野区東中野4丁目4-1-1階(東中野駅西口から徒歩1分)