DVD第5巻には⑬『恋する紅い剣』と⑭『アインゴットの眼』の二エピソードが収録されていた。中盤戦を経て、奇想の物語は、いよいよ後半戦へと突入する。

どうやら、主要人物もほぼ出揃った様子である。これからは、意外な顔合わせや組み合わせで楽しませてもらうとしよう。一見無関係に思えた人物が、実は過去で濃密に繋がったりしていて、なかなか手が込んでいる。映画でも芝居でも、脇役の個性が光る作品は大抵面白い。カメラの角度によっては、脇役が充分主役足り得るのである。入念な脚本と丹念な人物描写がそれを可能にしている。逆にツマラナイ動画は、何もかもツマラナイ。話もツマラナイし、人物もツマラナイ。魅力の欠片も感じられない主人公が、泣こうが喚こうが叫ぼうが、俺の心は動かない。


一人の人物が二つの役を兼ねているのが『スタードライバー』の特徴である。例えば、島出身の女剣士―シナダ・ベニオ。タクトも寄宿している学生寮の寮長であり、剣道部の部長であり、綺羅星十字団の幹部でもある。彼女の場合は「一人三役」と言った方が正しそうである。可憐さと大胆さが融合した不敵系キャラクターである。寮長の権限を生かして(?)男風呂に出入りするわ、男子の部屋に忍び込むわ、やりたい放題の痛快ねえさんである。剣術の技量も卓越しており、大会優勝を獲得するほどの腕前だ。言葉の選択は少々荒っぽいが、案外に面倒見の良いところもある。まさに男勝り。この世に怖いものなしの逞しさと勇ましさを誇るが、内面に結構複雑な悩みを抱えていた事が、第13話『恋する紅い剣』で判明する。


こういうキャラクターを描く人は、きっと本人も真面目なんだろうと思う。その真面目さを剥き出しにするのは照れ臭いから、色々装飾が施してあるが、本質的には極めて真面目である。こちらも恥ずかしくなるぐらいである。だが「ウルトラ・バイオレンスの探求」に明け暮れている俺などには、その真面目さが新鮮清涼に映るのである。観る度に汚れた魂が浄化されるような気がする。ベニオは二度目のサイバディ戦をタクトに挑んだが、相手に太刀筋を読まれて、連敗を喫した。無敵の銀河美少年を止められるのは…やはり「彼」か?親友が宿敵に転じる展開はあるのか?