『われ敗れたり』の57頁に「ボンクラーズが解けない詰将棋」が紹介されている。どうして解けないのか?それはこの詰将棋に最強電脳の「盲点」或いは「死角」が含まれているからである。興味のある方は自宅の将棋盤に並べてみてください。
必要な駒は玉将1枚・飛車1枚・角行1枚・桂馬1枚・歩兵2枚の計6枚である。駒の用意が出来たら、その6枚を以下のように配置してください。
「4一」の地点に自角を、
「2一」の地点に敵桂を、
「1二」の地点に敵玉を、
「3三」の地点に自飛を、
「1三」の地点に敵歩を、
以上のように並べたら、歩兵が1枚残る筈である。それはあなたの持ち駒となる。
さて、あなたはこのパズルを解明する事が出来るだろうか?因みに俺は出来ませんでした。俺の脳味噌もどうやらコンピュータ級らしいね。文中には「七手詰」と書いてあるのだが、俺には「五手詰」としか思えないのである。致命的なミスを犯しているようだが、それが「何」なのかが判明しないのである。
この詰将棋には、第一手に仕掛けが凝らされており、その仕掛けが、ボンクラーズの能力の及ばない領域に存在しているのだ。面白い現象であり、最強電脳も、必ずしも、無敵万能ではないという証明になっている。それは良いのだが、俺自身も解けないので困ってしまう。試しにやってみようか…
▲2三角不成 △1一玉 ▲1二歩 △2二玉 ▲3二飛成までの五手詰?
以上で、綺麗に詰んでいるような気がするのだが、これは誤答なのだろうか?
五手で詰むものを、わざわざ七手に引き伸ばさなくてはならないのだろうか?
初手の「▲2三角不成」は、これしかないという選択。この奇手こそが本作の肝であり、ボンクラーズの思考を凌駕した部分なのである。コンピュータには「角を成らない」という発想自体が組み込まれていないのである。もうひとつわからないのは、初手の不成に対して、敵玉が2二に逃げた場合である。詰むには詰むのだが、持ち駒の歩が余ってしまうのだ。これは詰将棋のルールに引っかかるのではなかったか…。そのような訳で俺にとっても大変な難問なのである。頭を抱えるしかない。