「第7幕・ぬくもり」「第8幕・甘え」を続けて観た。黒い竜馬を駆る謎の男―ティボルトが登場する。指南書で確認したところ、ティボルトはジュリエットの従兄であり、親友マーキューシオの復讐に燃えるロミオに殺されてしまう運命を持っている。この事件が「ロミオの追放」に繋がる訳である。勿論『ロミオ×ジュリエット』は一種のパラレルワールドだから、原作と同じように物語が進むとは限らない。恐らく、ロミオの好敵手として活躍してくれると思うのだが、俺の予想は外れる事が多いので、余りアテにはならない。優等生の見本のような二主人公(こっちが恥ずかしくなる!)に対して、黒衣の剣士ティボルトは相当に「斬り合い慣れ」「殺し合い慣れ」しているらしい。殺人に躊躇いを覚える―まあ、正常な感覚なんだけどね―ジュリエットに代わって、宿敵モンタギューの首を刎ねるのは、この男かも知れない。冷血大公が真に警戒すべきは、甘ちゃんジュリエットではなく、辛口ティボルトであろう。


それにしても、これほど目立つ存在が、ネオ・ヴェローナの街を歩いているのは、危険ではないかと心配になる。憲兵隊が無能なのか、自分の腕に余程自信があるのか、とにかく大胆な男である。ティボルトという強力な駒が追加されて、人物布陣にも厚味が出てきた。俺としても―大公を除けば―ほとんど初めてとなるバイオレンス・キャラクターの参戦を歓迎したい。大いに暴れ回って欲しい。

白のロミオと黒のティボルトが死闘の火花を散らすのも、そう遠い話ではなさそうである。剣技に関しては後者有利だが、恋愛の方は前者優位…なんだと思う。

第8幕の後半、かの密告神父が物語から脱落した。庶民が抱えている「闇の面」を象徴する興味深いキャラクターだったが、あっさり死んでしまった。では「ロレンスの役割」は誰が担うのか。先の事はわからない。別のキャラクターが出てくるとも考えられるし、エピソード自体が削除(或いは、変更)される可能性もある。

ママ好きに加えて、帰宅拒否気味の潔癖王子は、今日も空中散歩に余念がない。大丈夫なのか。ウカウカしていると、主役の座を奪われちまうぞ。頑張れ、ロミオ。頼むから、しっかりしてくれ。親父さんの苛立ちもちょっと理解できる気がするな。