先月の21日に立川談志が亡くなった。

俺が訃報に接したのは23日である。

いつものようにラジオを聴いていたら「談志死去」の情報が流されたのだ。

俺は落語に詳しいわけでもないし、熱心な談志ファンというわけでもない。

だが、何となく気になる存在である事は確かであった。

NHKラジオ第一の『新・話の泉』では、番組の家元として、睨みを利かせていた。

山藤章二、松尾貴史、嵐山光三郎、毒蝮三太夫…個性派(曲者?)揃いの出演者をまとめ上げる技量&力量は流石であった。

司会担当の渡邊あゆみアナウンサーとのやり取りも面白かった。

談志の体調が思わしくないという話は俺も知っていた。

ラジオだから、当然顔は見えないが、時折苦しげな気配が伝わってきた。

それでも番組を続けようとする執念にも似た気力に驚かされた。

談志はこの番組の起動にも携わっているから、愛着も深かったのだろう。

だが、精神力で支えられる部分や範囲には限界というものがある。

『新・話の泉』は家元不在の形で番組が進められる事になった。

出たくても出られない無念さを、談志は病床で噛み締めていたに違いない。

出演者も聴取者も家元の復活を願っていたが、叶わぬ夢と消えた。

流石の毒舌家も病魔には勝てなかった。癌は怖い。人類最大の敵である。

『新・話の泉』の放送継続が決まったそうである。素晴らしい決定だ。

談志も「あちら」で喜んでいると思う。家元の座は当面空席でも良いだろう。

例え肉体は消滅しても、談志の意思は健在なのである。

俺も可能な限り『新・話の泉』を追いかけたいと考えている。

談志の落語も本格的に聞(聴)いてみたい。

あれほどの名人なのだから、録音も相当数保存されている筈である。

それは、立川談志が我々に遺してくれた「音声財産」である。

テレビには期待出来ないから、ラジオに頑張ってもらいたい。

談志の落語が毎回聴ける素敵な番組を企画してもらいたい。


家元の御冥福をお祈り申し上げます。安らかにお眠りください。合掌。