2011年のゴールデンウイーク第一日。昼下がりの神保町を歩いた。

激震後、初めての訪問である。

震災発生以降―仕事以外は―引き篭もりのような状態が続いていたが、最近は元気を取り戻しつつある。

年数回は訪れるだろうか。

国産SFの補給やカルト映画の鑑賞が主たる目的だが、神保町の雰囲気自体が好きである。

美味しい食べ物屋さん(喫茶店含む)が沢山あるのも魅力的だ。

これまで神保町で酒を呑んだ事がないのは何故だろう。

俺としては異例の現象と言える。指南書等に頼らなくても、個性的な居酒屋さんが何軒でも見つけられそうである。但し…

本気で探索を始めたら「帰れなくなる危険性」がある。

それを警戒する気持ちが、俺の内面で作動しているのかも知れない。

俺が金持ちなら、この町に居を構えるのだが、現実的には難しい。

東京には「住んでみたい町」が幾つかある。

ささやかな夢だが、叶う事はなさそうだ。

古書店数軒を巡って、通勤時に読む本や資料&文献を購入した。

俺の蒐集欲を満たす収穫が得られた。宝の山のような町である。

この日に買った本を備忘録代わりに列記してみよう。


①『歴史読本/沖田総司 新選組青春譜』(新人物往来社―210円)

②『原色図鑑 世界のクワガタムシ・カブトムシ』(吉田賢治―210円)

③『クトゥルフ神話ガイドブック』(朱鷺田祐介―210円)

④『異星の人』(田中光二―210円)

⑤『怒りの大洋』(田中光二―315円)

⑥『出雲のヤマトタケル』(豊田有恒―367円)

⑦『コンピューターが死んだ日』(石原藤夫―262円)

⑧『われら梁山泊の好漢』全4巻(柴田錬三郎―1050円)


全部で11冊―合計で2834円。3000円でお釣りがくるのだから良しとすべきだろう。商品密度を考えれば、むしろ安いと言えるのではないか。

いつもなら、珈琲休憩に突入するところだが、この日は飲み食いせずに真っ直ぐ帰路についた。

翌30日と5月1日は「神奈川遠征」の予定なのだ。

映画通A氏の依頼である。

明日は朝が早い。急ぎ帰って、旅支度を整えなくてはならないのだった。

関東移住に成功してから、毎日が充実している。以前は俺が遊びを追いかけていたが、最近では遊びの方が俺を追いかけてくれるようになった。

住まいが変われば、運勢も変わる。引越しにはそういう効能もあるのだ。