中野という町が好きである。
隅々まで歩き尽くしたという訳ではないのだが、不思議な愛着を感じる。
小劇場はあるし、ブロードウェイはあるし、個性的な食べ物屋はあるし、その気になれば、終日遊ぶ通す事も可能だろう。
収入が許すなら、永住したいぐらいである。
先日『なかの芸能小劇場』の一階にあるコーヒーショップに寄ってみた。
以前から、店の存在には気づいていたのだが、実際に訪ねてみるのはその日が初めてであった。
テーブル席2席とカウンター席―シンプルな内装が、ガラス壁越しに見えた。
店の前に置かれたメニュー表には「コーヒー1杯150円」と、ある。
現在の相場を考えると、良心的な値段だと言えるだろう。
愛想の良いおばちゃんが一人で切り盛りしていた。
常連客らしき人達がテーブルに着いていたが、カウンターは空いていた。自然、俺はそちらに座る事になる。
ホットコーヒーを注文すると、一から淹れてくれたので驚いた。
柴田先生の『英雄三国志』第3巻を読みながら、淹れ立てのコーヒーを飲む。中々美味しい。これで150円は安い。
焼きそばやカレーライス等、軽食も用意されている。やはり安い。その日は阿佐ヶ谷の定食屋で昼飯を済ませていた。次回試してみる事にしよう。
おかわりを注文する。
一杯目は砂糖とミルクを入れ、二杯目はブラックで楽しむのが、俺なりの飲み方である。
果物のサービスも嬉しかった。大手が経営する店では有り得ない現象だろう。
休日の中野界隈は物凄い賑わいだが、その空間はゆったりとした空気に満たされていた。
穴場的な店と言えるかも知れない。中野散策における休憩ポイントのひとつとして、これからも利用させてもらう事にしよう。
価値ある300円を払うと、俺は店を出た。
その後、新宿に移動して『紀伊国屋書店』に行き、映画関係と新撰組関係の本をそれぞれ1冊買った。
紀伊国屋を出て、代々木駅まで歩き、そこから原宿に移動した。
その夜は『クエストホール』でイッセー尾形の一人芝居を観劇する予定だった。
劇場で友人数名と合流した。
チケット代は5000円。少々高いが、盛り沢山の内容であった。
「健康診断に始まり、芝居鑑賞に終わる」という忙しい日だったが、充実した時間を過ごす事が出来た。中身の濃い一日であったと思う。
■なかの芸能小劇場…東京都中野区中野5-68-7