心の本体



心の本体はよく鏡に例えられる

常住不変で

生まれてこのかた何ひとつ変わることなく

人生のすべてを映し出している


この鏡は年齢を重ねても綻びることなく

病気や怪我をしても傷つくことがない

たとえ悩み尽くすことがあっても

一点の曇りも生じない


しかしこの鏡のような心の本体は

自ら映し出す森羅万象の他にあるわけではない


千変万化する森羅万象そのものとなって現れながら

森羅万象となった自己自身を映し続けている


自己が自己を自覚しているのだ


こうした絶対矛盾的な心の本体を「無相の自己」とも言い「一心」とも「仏心」とも言う



(富説 九拝)