不要不急の外出自粛が求められるこのご時世ですが、『机上の空想』ならどこへでも出かけられます
ちょっとローカルな話題になりますが…。
以前から気になっていた、仙台市に存在する、とある『飛び地』について少し調べてみました
それは、東北本線で『仙台駅』の1つ南に位置する『長町(ながまち)』。
※赤線の内側が長町。
かつて江戸時代には仙台城に最も近い宿場町があった場所です。
ところがグーグルマップで『長町』と検索し、少し引いて見ると…
なんとっ
北西方向にもう1ヶ所、『長町』エリアがあるではないですか
クローズアップしてみると
『八木山動物公園』や『八木山ベニーランド』がある辺り。
「え ここって、その名の通り『八木山』なんじゃ…」
仙台に土地勘のある方はそう思ったのでは
確かに、「八木山動物公園」の住所を見ると…
『八木山本町』となっていますが、
お隣の遊園地「八木山ベニーランド」は…
『長町 越路』となっています。
動物園の背後、北側にある「竜ノ口渓谷」付近やベニーランドの敷地を経て広瀬川に至るまで、結構広い範囲がじつは『長町』。
長町駅から約6kmほども離れたこの地域がなぜ『長町』なのか、紐解いていくと…
八木山側の『長町』の辺りは、もともとは『平岡村』。
明治7年(1874)、長町宿と当時の根岸村、そして平岡村が合併し、『長町村』が誕生します。
※ざっくり言うとこんな感じ
明治22年(1889)、『長町村』は『郡山村』そして仙台区の一部だった『宮沢』を編入して一旦『茂ケ崎村』に。
(※『茂ケ崎』は町名として一部残っていますね。)
大正4年(1915)、町制が施行され『長町』へと改称。
昭和3年(1928)、宮城郡原町とともに仙台市に編入、『仙台市長町(大字)』となりました。
ちなみに、『八木山』という地名の由来となった八木久兵衛翁が、この地に「八木山野球場」を作ったのが昭和4年。
なので当時はまだこの一帯は『八木山』ではなく『仙台市長町』でした。
※1928年ごろの地図。左上のほうに「野球場」の文字が見えます。まだ周りはただの山。
昭和30年代後半から八木山に次々と新しい団地が造成されはじめ、それぞれが新しい住所となって独立していきます。
※現在の地図。地名が細かく分かれています。
地形の険しい動物公園周辺は団地としては開発されなかったため、昭和30年以前の古い地番が残り、その結果取り残される形で『長町』の飛び地となったようです。
※竜ノ口渓谷(赤い線が細かくうねっている辺り)は仙台城の防御の1つとして伊達政宗も利用していました。
一見不思議に思える立地も、こうして歴史を紐解いてみるとその理由に納得、面白いものです
あっそういえば、局地的な『飛び地』がもう1つ。
向山4丁目にある『長町ラーメン』
これはJR長町駅近くにあった店舗が移転してきたのでした~
気が向いたらpart2以降もいずれ書くかも~