「おっだんだん晴れてきたぞかあさん」
「清々しい陽気ですわね、あなた あ、ほら、そんなに顔を出したら危ないわよ。」
「だって、タロにもお外の景色、見せてあげたいんだもん」
(※この会話はフィクションです。)
家族でのドライブ旅行だったら、さながらこんな会話がされていそうな日曜日の朝
しかしウルトラにチャレンジするランナーにとっては酷な状況です
去年もおととしも第1関門の49.6km地点までは、一部傾斜がきつめのところを除いては順調に走ることが出来ました。
ところが今回は40kmすぎたあたりからすでにヘロヘロ
足元もおぼつかなく、少し気を抜くと左右に蛇行しそうになります。
走路が狭いところも多いので他のランナーさんたちを妨害しないよう気をつけながら考えます
「これはもう去年の80kmすぎと同じくらいの状況じゃないか」
↑
豊沢ダムのあたりは風が吹き抜けて少しだけ気持ちよく走れましたが…。
クレオパトラさんにも抜かれました。
確かに日が差して暑いとはいえ、こんなにまでも自分は暑さに弱かったっけ
少々悩みながらそれでもチビチビと前進。
……。
じつは大会が終わってから数日も少~し頭がフラフラする瞬間があり…。
「あっもしかしてあれは熱中症でもハンガーノックでもなく、貧血のせいだったのか」
と今になって思い至る次第で。
牛乳をかけた納豆みたいな粘りのない走りはそのせいだったのか(↑なんつー例え)
去年はヘモグロビン濃度が基準より低いということで献血できなかった、という経験もしていたので…。
一応3日前くらいから鉄分のサプリも摂っていましたが、もっと日常的に対策を取らなければダメなのかな~
っていうのは言い訳で、単純に走り込み不足だっていうことは重々承知しております、ハイ
第1関門通過は午前10時30分ころ。去年より20分遅れです。
ここまでダメダメなのは暑さのせいだと思っていたので、今まであまり使うことのなかった「かぶり水」をひしゃくで頭からかぶり、後ろにあるテントのところでちょっとだけ休憩しました。
時系列的に考えると、ここで一気飲みさんに抜かれていたようです。
豊沢ダム湖畔を抜けて行きます。
↑
今年は本当に熊が出てもおかしくない雰囲気
あまりにもまともに走れないので、後半戦のために用意していたロキソニンを投入
「もしかしたらこれで回復するかも」
ロキソニンは痛み止め。熱中症にも貧血にも効果はありませ~ん。
「ん~~、特に何も変わった感じはしない」
っと、その先で待ち構えるカメラマンの姿を発見
「もう~、しょうがないなぁ~」
↑
見栄っ張りが一匹。
歩いてる所を取られるのは嫌だったので気付いたところから走り始め、ついでにもう少し走れる分だけ走ってみました。
一度見知った所は距離感が縮まるもので、「こんなもんだっけ」と、ここに関しては思いました。
そしてトンネル
涼しいトンネル内ではせめて歩かないようにしよう
短いトンネル、中くらいのトンネル、長~いトンネル。
最初の2つは順調にクリア。
3つめの長いトンネルも快調に走りますが、ゆる~く左にカーブしているため進んでも進んでも一向に出口の光が見えてこない
ここは逆に今年は長く感じました。
それでもしっかり走り切ってトンネルを抜けるとすぐ「天空のエイド」です
ここでのコーラは最高ら~
今度は一転して下りに入ります。
渓流沿いを走ります。
↑
緑がキレイ。
たまにフラッとくる時があるのでその時は歩きましたが、その他はおおむね順調に走れました。
↑
60km地点。
やがて県道1号線と合流、雫石に向けて北上します
たどり着いた66.5km地点。
第2関門であり、レストステーションでもあります。
今年は時間節約のために荷物は預けておきませんでした…が、結局ここで少し座り込んでしまいタイムロス。
出発したのは関門閉鎖18分前くらいでした。
ここから次の関門まで7km弱なんですが、もともとの時間設定がキビシメ。
しっかり走らないと間に合わなくなってしまいます。
とはいえ、満身創痍の体に容赦なく照りつける太陽
少し走っては歩き、少し走っては歩き。
思うようにペースは上がりません。
そうこうしながらも残り1kmを切り、左折して坂を登り切ると第3関門、という所まで来ました。
「もしかして行ける なんとかなる」
という前向きの気持ちと裏腹に、
「もし通過しちゃったら次の関門まで13kmあるよ絶対間に合わないし、間に合わなくてもそこまでは行かなくちゃならないし…。」
間に合いたい間に合いたくない
の綱引きをしながらも一応最後の努力をしてみます。
閉鎖まであと1分30秒という時。
「今日いちの1分30秒をみせてくれ~」
5人くらいの集団を引っ張るリーダーらしき人がそう叫びながら猛然と坂道ダッシュして行きました
が、その人たちでさえも関門通過ならず。
私もあえなく撃沈しました
午後2時23分、今年の銀河の旅は未完成のまま幕を閉じました。
↑
関門でナンバーと時間をかいた「リタイアカード」を受け取り、ゴール地点移動後に認定証と引き換えます、っていう情報はいらないですね。
関門閉鎖後、「余ってもしょうがないので食べちゃってくださーい」
あまーいあまい牛乳寒天もほろ苦い(気分)。といいつつ2個頂きました。
ゴールへと運んでくれる収容車。
悔しくて悔しくてしょうがないけど、ホッとしてしまっているというのも事実。
「こんなことではダメなんだなぁ~」
もうちょっと