少女は小さな声で呟いた
片方の靴が見当たらない
私は道を歩めない
でも少女は鳴くことすらできない
心の扉を閉ざした少女
少女の心は脆くて儚い
少女の体は脆くて儚い
きっと自由などない
決して照らす道などない
でも少女は歩み出す
片方の靴を見つける道へ
心の扉を開ける鍵を見つける旅へ
少女の足元は冷たい
ふと空を見上げると
太陽が微笑んだ
足元を暖められていることに気がついた
小鳥が鳴いた
小鳥が飛んだ
私は生きている
独りじゃない
やがて少女の靴は
『個』となり
皆を暖める星となる
カチャ カチャ カチャリ
小さな扉の小さな鍵は錆びている
カチャ カチャ カチャン
小さな、小さな扉が開いた
世は眩しいくらいに
無限に広がる
少女は大きく、大きく息をした
