シヌミニョ 愛のかたち ⑥
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紅茶を煎れてシヌは屋上へ上がった。
美味しいものを食べて帰宅した後にお茶を煎れてあげるからとミニョに着替えたら屋上で来てと告げた。
「やはり…来ないか…」
ポットから紅茶を注ぎ一口、口に含み空を眺める。
お湯を沸かしている時に仕事を終えたテギョンが帰ってきてシヌを視界にも入れずにミナムの部屋に飛び込んで行った。
その後は知らない。
シヌは知りたくもないと屋上へ向かったのだ。
10分、20分経ってもミニョの姿は屋上へは現れなかった。
シヌは諦めて座っていた椅子から立ち上がろうとした時にミニョが走ってやってきた。
「ミニョ!慌てて走ったら転ぶ」
「きゃあ」
「危ない!」
ミニョが転ぶ寸でのところでシヌはミニョを抱き止めた。
「大丈夫か?」
「シヌひょんは?手とか大丈夫ですか?」
「俺は平気…なんか、役得かも♪」
抱き止めたまま、抱きしめてしまったシヌは引っ込みがつかなくなりお茶ら気ることにした。
「えっ?あっ…離してください!」
「ごめん、ごめん。相変わらず、真っ赤な顔するな」
「もう、からかわないでください。遅くなってしまってごめんなさい」
「テギョンはいいの?」
「……少しだけ背中を貸してくれませんか?」
「いいよ…」
あのまま腕の中で泣いてくれればよかったのに、背中じゃ何もしてあげれない。
シヌは背中で静かに泣くミニョを黙ったまま感じていた。
「シヌひょん、ありがとうございました」
「何時でも使ったらいい。なんなら、この胸でも」
「いえっ!もう、涙はみせません」
ミニョはいつも何かに耐えるように泣き顔を隠そうとする。
やさしく頭を撫でて、紅茶を煎れ直すからキッチンに行こうと誘う。
「シヌひょん!」
「何?」
「テギョンおっぱとお別れしました」
「そう…なっとくした理由だったの?」
うつ向くミニョをシヌは見つめる。
「はい…」
「聞いた方がいい?聞かない方がいい?」
「今は整理ができてません」
「わかったよ。下で待ってるから」
ミニョはその場を離れるシヌの背中を見ていた。
何時だって傍に居てくれるシヌの存在の大きさにテギョンと別れてから初めて知った。
「いまさら…」
ミニョは空を見上げた。
帰ってきたテギョンはミニョに結婚する相手の話をした。
それを思い出しながらまた涙した。
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