そばかうどんなら、もちろん、そばで!!
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

Pine Book Cool

 

『ありがとう。』

死ぬほど久し振りにブログを書こうと思ったのは、

とあるアーティストが、11/20を持って引退してしまったことが思ったよりも、

自分の感情を掻き乱したからなんだろうと思う。

 

今日、今思ってる事を、

文章として放り出さないとやり切れない想いがあるんだろうな。

 

 

メールのやり取りを遡ったら、

2014年の6月頃に『オリジナル曲のCDを作りたいんです!』と、

まだバンドを辞めて駆け出しの作曲家だった自分に話をもらったわけで。

 

多分…自分が歌わない楽曲であんなに愛情を注ぎ込んだのは初めてで、

思い返せば、本当に良い機会をもらえたと、心から感謝しかないし、

今となって聴き返したらそりゃあもう、そりゃあもうですよ笑

 

そこから約2年、

CD3枚。合計6曲の楽曲を共に作ってきた。

 

 

どの楽曲も思い入れがもちろんあって、

初めてライブハウスで流れる時は自分まで緊張して、

 

バンドとしてステージに立っていた時のそれとはまた違う、

恐らく同じような経験をした事が無い人には伝えるのがとても難しい感情、感動がそこにはあって、

『作曲家をやっていて良かった』と本当に心から思わせてもらった。

 

 

 

『引退するんです』

 

3rdシングルCDの制作の初打ち合わせでその決意を聞いた時、

正直、単純に悲しかった。

そして何より、とてもとても悔しかったのを覚えてる。

 

ステージに上がり続ける事が出来なくなってしまった自分自身があって、

楽曲を提供する事で、

前述の通り、どこか自分もステージに上がってるような感覚になってたのだろう。

 

ファンの人とは少し違った関わり方をさせてもらってたからこその感情。

結局…仕舞い方が解らなくて、

 

楽曲制作中も、

新曲披露した時も、

CDを発売した時も、

結局…引退ライブまで引きずってしまった。

 

『悔しい。』

『我が儘だ。』

 

まだまだ上を目指せるのに。

2年後、、いや1年後にはすごい世界が待ってるかも知れないのに。

ましてや、彼女が居るそこまで辿り着けないアーティストが溢れるほどに居るのに。

 

そして何より、

自分の楽曲がこの先歌われなくなってしまう事に。

 

 

 

『2016年、11月20日。』

 

天宮のその独りよがりの感情は、

ものの見事に打ち砕かれた。

 

 

約3時間のライブ。

そしてその3時間のために費やした数え切れない時間。

 

彼女は最後の最後まで、お客さんの事だけを考え、

『さよなら』じゃなく、

『ありがとう』を貫いた。

 

衣装替えの時間も、

2階の関係者席に来て、お客さんの反応を気にしていた。

…溢れ出しそうな想いを必死に制し、

その3時間が、会場に居る人全員にとって掛け替えの無い時間になるように、

一瞬たりとも気を抜かず、考え続けていた。

 

 

彼女は生粋のエンターテイナーだった。

 

 

世界中に溢れているアーティストの中では、

そりゃあとてもとても小さな存在だったでしょう。

一般的に『売れてる』とはお世辞にも言えなかったでしょう。

 

だが、天宮が知り得るアーティストの中で、

彼女ほどお客さんを大事にし、

周りに気を使いながらも、しっかりと自分を貫き、

こんなにも愛された人を知らない。

 

 

『悔しい。』じゃなかった。

 

『羨ましい。』だったんだ。

と気付いた瞬間には、彼女のパフォーマンスに魅入っていた。

 

 

彼女は良く、

『ファンの人がいるからアーティストになれてる』

『私がすごいんじゃなくてファンがすごいんです』

と言っていたのだが、

 

恐らくファンの人はもちろん、

あの会場に居た人は全員知っている。

 

『彼女がすごいんだ』と。

 

 

ファンの人とは少し違った関わり方をさせてもらってたから、

あの場にいたファンの人の気持ちの全部は解らないけれど、

 

少なくとも天宮は、

彼女からの『ありがとう』が痛いほど伝わってきたし、

彼女への『ありがとう』が溢れてきた。

 

 

ありがとう。

 

またいつか、ひょっこりステージに立つ日がくるのを、

願っております。

 

 

 

最後に、一番大事な事。

 

世界中の誰よりも、

天宮の作った楽曲を愛してくれたのは、

紛れも無く、彼女自身でした。

 

 

一生の宝物です。

 

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>