集英社文庫

   『23分間の奇跡』

     ジェームズ・クラベル・著/青島幸男・訳

 

を読みました。

ジェームズ・クラベルの本は読んだことがなくて、この本を読もうと思ったのは海外ドラマの『SHOGUN』を見て、そのドラマの原作がジェームズ・クラベルだったからです。

残念ながら図書館に『SHOGUN』はなかったので、こちらの本を借りて読みました。

 

とても短いお話で、約23分間の出来事が児童書のように平易な文章で書かれています。

 

ある学校のあるクラスに新しい若い女性教師がやってきます。

今までそのクラスの担当だったベテラン教師はなぜか激しく動揺して、生徒たちとの別れの際にも今まで見たことのないような怯えた様子で去っていきます。

 

いい匂いのする優し気な女性教師の言葉や態度に段々と魅了されていく生徒たちですが、ジョニーは警戒心を持っています。

それはなぜか…というようなお話ですが、このお話はジェームズ・クラベルの娘さんがある日学校で「国旗に忠誠を誓う」という授業を受けて帰って来た、その出来事から誕生した物語だそうです。

 

純真無垢な子供たちが、いかに大人の言動で、意味も分からずその「ある思想」に染まっていくか…ということが描かれています。

訳者である青島幸男さんのあとがきも意味深いです。