GYAO!にて『主任警部モース』(全8シーズン)を見終わりました。
実は以前に2シーズンほど他のチャンネルで見て、その時はそんなにハマらなくてそのままにしていたのですが、『刑事モース~オックスフォード事件簿』(『主任警部モース』を下敷きにモースの若い頃を描いたシリーズ作品)を見進めるにつれ、やっぱり大元を見ておいた方がいいなぁと思い、GYAO!さんで配信があったので最終シーズンまで見ることができました。
この作品は推理作家コリン・デクスターの『モース警部』シリーズをドラマ化したものです。
作家ご本人がドラマの中で33話中30話にカメオ出演しているそうなのですが、知りませんでした。
脚本や監督にはイギリスの著名な方たちが名を連ねていて、『トレインスポッティング』や『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督や『イングリッシュ・ペイシェント』や『コールドマウンテン』のアンソニー・ミンゲラ監督のお名前が。
物語の舞台はイギリスのオックスフォード。
テムズ・ヴァレー署の警部モース(ジョン・ソウ)は、鋭い推理力、観察力を持ち、クラシック音楽や芸術など様々な事柄に造詣が深く、それを活かして卓越した推理力を発揮しますが、思い込みが強い一面や、お酒が大好きで、女性に惚れっぽく、かなり頑固なところもあって、ちょっとクセの強い人物です。
そんな彼の相棒となる部下はルイス部長刑事(ケヴィン・ウェイトリー)。人懐っこく話し好きで、愛妻家。
どんなに仕事が大変で家になかなか帰れなくても、できる限り家族の行事を大切にするような好人物。
モースの理不尽とも思える癇癪や要求、そしてなぜかパブで小銭を持たないモースの代わりにビール代を払わされることが多いのですが、日々それに耐えて地道な作業でもコツコツと取り組みます。
彼らの上司に当たるのがストレンジ警視正(ジェームズ・グラウト)。
元々モースと同じ階級の同僚でしたが、モースと違って法令順守、コミュニケーション能力も高く、コネクションづくりを怠らず野心もあったので、今はモースの上司となり、モースを叱ったり、たきつけたり、なだめたりする日々。
モースたちが、ひとつひとつの事件の捜査をしていく中で、一見わからないそれぞれの人物の関係性やその過去やある人物の歪んだ愛情や業、関係者間の確執などが露わになっていきます。
事件の真相がわかって解決しても、心情的にほろ苦い結末を迎えることもたくさんあります。
モースは美人の女性に弱くて、事件関係者の女性でも惹かれてしまうとその女性を擁護してしまう人としての弱さもあって、そういうところは部下のルイスが冷静な視点でものを見て、モースに忠告したり、叱ったり、時には庇ったりしています。
最終シーズンの最終話はちょっとショックな内容で、物語の主人公であるモースの文字通り最期を描いていて、印象深いお話となっています。
毎話エンディングで流れる音楽が本当に美しく、この物語の世界を見事に彩っています。
この作品のスピンオフである『オックスフォードミステリー ルイス警部』もきちんと全話見てみたいです。
左がルイスで右が主人公のモース
モースたちと写っているのがモースの愛車の赤いジャガー