『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年日本)を見終わりました。

 

原作:西村寿行『君よ憤怒の河を渉れ』

脚本:田坂啓/佐藤純彌

監督:佐藤純彌

出演:高倉健/中野良子/原田芳雄/池部良/田中邦衛/大滝秀治/西村晃/岡田英次/伊佐山ひろ子他…

 

中国でもとても人気のあるこの作品。

主演の高倉健さんが東映退社後の第一作目の作品です。

 

検察庁検事の杜岡冬人はいきなり新宿の路上で警察官を二人連れた見知らぬ女に「この男は強盗犯よ、捕まえて」と指をさされます(強盗だけでなく強姦されたと主張する女)。

身に覚えのない容疑で捕まった杜岡。連行された警察署で自分の名前を明かさずに「警視庁の矢村警部を呼んでくれ」と訴えて旧知の仲である矢村が現れますが、別の事件でも杜岡が犯人だと名乗る人物が現れて、面通しで杜岡が犯人で間違いないと言います。

被害者を名乗る二人の人物の主張を確かめるために杜岡の自宅を本人を連れて実況検分することになったのですが、そこでそれぞれが盗まれたと主張する物品が見つかったために容疑が固まってしまいます。

自分を嵌めるための罠だと確信した杜岡はトイレの窓から逃げ出して逃亡犯となり警察に追われながら、真実を明らかにしようとするのですが…。

 

警察の手を逃れて嘘の主張をした男と女の素性を探っていくと意外な事実が顕れ、そしてその裏で暗躍している人物に行きつくのです。

 

健さん演じる杜岡がとにかく凄いのです。

逃亡中に知り合った令嬢を助けるために猟銃でクマを撃ったり、逃げるために新宿の街中で令嬢の乗っている馬に飛び乗ったり、一度も操縦したことのないセスナをたった一度教わっただけで操縦して燃料切れの際に海に着水したり…。

とても常人にはなしえないことをやってしまう杜岡。

そんな杜岡に惚れてしまう令嬢を演じる中野良子さんの優雅さ。

 

ツッコミを入れたいところは結構あるのですが、見て面白かった作品です。

あのシリアスなシーンにおよそ似つかわしくない音楽の多用はかなり気になりますが…驚き