WOWOWオンデマンドにて『さまよう刃』(全6話)を見終わりました。

 

東野圭吾さんの同名小説のドラマ化作品です。

原作を読んだこともなく、以前映像化されたものも見たことがなかったので予備知識なしだったのですが、かなりハードな内容で、心にズシンとくる作品でした。

 

主人公の長峰(竹野内豊)は、妻を早くに亡くして男手一つで娘の絵摩(河合優実)を育ててきました。

そんな娘との幸せな日々はある日突然消滅します。

 

絵摩は未成年の男達に誘拐され、強姦され、殺害されたのです。

長峰は犯人逮捕を強く望んでいましたが、なかなか犯人は捕まらず、警察に不満を爆発させる長峰。

そんなときにある密告電話が入ります。

犯人グループの一人アツヤの居所を知った長峰はたった一人アツヤが住むアパートへ向かって、アツヤを殺害してしまいます。

長峰は娘を死に追いやったアツヤ以外の人物の行方を追っていくのですが…。

 

残忍な方法で被害者を殺害、暴行してきた犯人たち(他にも彼らの被害者がたくさんいます)。

彼らは未成年であるために「死刑」は適用されません。

「少年法」の在り方、警察の役割、被害者の親、そして加害者の親、何でもかんでも探り出し、雑誌のネタにしようとするマスコミ。

様々な登場人物の姿を描いています。

そしてたった一人、犯人を追い詰めようとする長峰に手を貸す一人の女性、和佳子(石田ゆり子)。

警察に追われる立場となった長峰のたどり着いた先は…という感じです。

 

もし自分が長峰の立場だったら、やっぱりとても冷静ではいられないだろうし、犯人に復讐したいと思うかもしれません。

 

話の中でとても気になったのが、警察があの映像を被害者の親に見せて確認をとっていたこと。

愛する娘のあんなに惨い姿をなんで親に見せるのかなぁと…(酷すぎます)。

被害者や、その家族への人権をもっと尊重するべきでは?と思いました。

あの記者の女性にも腹立たしさを覚えました。

 

制作したのがWOWOWということもあって、かなり心をえぐられる場面もあるので、注意してご覧ください。

でも、それ故に、被害者たちの感じる恐ろしさ、被害者家族の痛々しさがひしひしと伝わってくる作品となっています。

 

 

 

犯人の行方を追う長峰。

 

直接的な犯行には関わっていないが、カイジ(市川理矩)たちが何をしていたかを知っていた誠(井上瑞稀)。

 

子供を失った悲しみを知っている和佳子。長峰を匿います。