NHKプラスにて『きれいのくに』(全8話)を見終わりました。

 

不思議なドラマでしたね~。

冒頭はまず美容師の恵理(吉田羊)と税理士の宏之(平原テツ)の話が展開して、二人は再婚同士で、子供がいない分夫婦で余裕のある生活をしています。

 

映画監督(稲垣吾郎)のインタビューに、お互いに不満はないとそれぞれ答えていますが、恵理には夫に言えない秘密がありました…。

 

で、場面が変わって、謎の女(蓮佛美沙子)が宏之の前に現れて男女の関係になるので、てっきり謎の女と宏之が不倫している…と思ったのですが、それは恵理と宏之の出会った頃の過去でした。

 

そしてある日、宏之の目の前の見慣れたはずの恵理(吉田羊)の顔が出会ったころの恵理(蓮佛美沙子)になっていることに衝撃を受けます。

でも、宏之の戸惑いと違和感は宏之以外は誰も感じていないらしく、なんで自分と同じ違和感を持たないのか?と周りの人たちに対して、そして恵理に対しても不信感が募ります。

 

そんなこんなしているうちに、恵理の顔は、とうとう宏之がまだ出会う前の20代の恵理(小野花梨)になっていて、もう宏之は自分がおかしいのか?と混乱している・・・というところで、話がガラッと変わって(ここの所すごくびっくりしましたビックリマーク)、今まで見てきたものが実は啓蒙映画だったことがわかります。

 

なぜ学校で高校生に見せていたかというと、巷で流行っている「裏整形」をさせないためのものでした。

その世界では親の世代では美容整形が当たり前で、かなりの人々が顔を整形していて、同じ顔の人間が溢れていました。

しまいには、遺伝子操作で顔をデザインされた子供まで登場して、政府は「美容整形」を法律で禁止したのでした。

 

幼なじみの高校生・誠也(青木柚)、凜(見上愛)、れいら(岡本夏美)、貴志(山脇辰哉)と違って、中山(秋元龍太朗)は、誕生前に両親(加藤ローサ・稲垣吾郎)が遺伝子操作を施したため、大人たちと同じ顔をしています。

仲が良く、放課後を一緒に過ごす五人でしたが、れいらは小遣い稼ぎに時々“パパ活”をしていました。

そのことをみんなに話しても、特に誰もれいらの“パパ活”に反対する人はいませんでした。

 

ある日、れいらはいつものように喫茶店で待ち合わせて、客の福井(稲垣吾郎)という男性とカラオケボックスに行きますが、そこで豹変した福井はれいらを襲ってきます。

怪我をしながらもなんとかその場を逃げ出すことが出来ましたが、それからというもの、福井と同じ顔をした人たちを見る度にその時のことが蘇って恐ろしくなり、友達の中山を避けるようになります。

 

中山はれいらに好意を持っていたので、自分が急に避けられるようになったのが訳が分からず凜にそのことを相談します。

凛と誠也は一緒に出掛ける約束をしていましたが、れいらの様子が気になる誠也は凜に嘘をつき、れいらと過ごすのですが、たまたまその姿を凛は目撃してしまいます。

 

自分の顔にコンプレックスを抱く凜は美容手術をしていない人たちが集まる「きれいのくに」に出入りすることで、「裏整形」のことを知り、一度は施術を思い留まるものの、再び「裏整形」をしようとします。そのことを誠也に告げると…。

 

お話が入れ子?になっているので、3話目の途中から話がガラッと変わってビックリしました。

同じ顔が溢れている世界、ってかなり気持ち悪いですね。

現実にそんな世界だったら、個人の識別ってどうするんだろう?(ドラマではそのことに触れていなかったと思うけど、中山の父親も、中山自身も、学校の先生も、映画監督も、パパ活親父の福井もみんな同じ顔をしてるのです…)

 

見た後に不思議な余韻が残る作品でした。

 

 

 

 

恵理と宏之。

 

出会ったころの恵理と宏之。

 

TVのキャスターの女性(加藤ローサ)。あらゆるところに彼女の顔が溢れかえっています。

 

仲良し5人組の高校生。