BS12で放送の『バビロン・ベルリン』S1&S2(全16話)を見終わりました。

 

ドイツのドラマなんですが、映画のような圧倒的なビジュアルで、内容も面白かったです。

 

舞台はナチス台頭前のワイマール共和国で、1929年ベルリンにケルンから転任してきたゲレオン・ラート警部(フォルカー・ブルッフ)がヴォルター上級警部(ペーター・クルト)と共にポルノ映画の撮影現場に踏み込みます。

その場にいた撮影監督のケーニヒは拘留されて尋問を受けますが、フィルムの在りかを吐きません。(そのフィルムについては、ゲレオンはある人物からそのフィルムを回収するように言われていました)

 

シャルロッテ(リヴ・リサ・フリース)は具合の悪い祖父と、母親と、姉夫婦と赤ちゃん、そして妹と暮らす日々ですが、姉の夫は働かず、シャルロッテは家庭を支えるために、昼間は警視庁で事務の仕事を、夜はナイトクラブの地下であることをしてお金を稼いでいました。

そんな時に、警察で整理を任された写真が殺人課のもので、シャルロッテは殺人の捜査に興味を持ちます。

 

そんな頃にある一台の貨物列車がソビエト連邦からベルリンにやって来ました。その列車の貨物の中にある物が含まれていて、それを狙っている人たちがうごめいていたのです。

 

ゲレオンがケーニヒの尋問中にゲレオンの拳銃を奪って自殺してしまいます。

誰かの指示で行ったものと考え、黒幕を探します。

 

謎の女性スヴェトラーナ(セベリヤ・ヤヌシャイスカウト)は貨物列車の運転士に行き先がトルコのイスタンブールからパリに変更になったと告げます。

このスヴェトラーナという女性はトロキツト集団のリーダーカルダコフ(イワン・シュヴェドフ)の恋人で、ナイトクラブ「モカ・エフティ」では男装の歌手ニコロスとして知られています。

でも実はソビエトのスパイでもあって、トロキツトの情報を横流ししていたのです。

そして別にニッセンと言う男とも付き合っています。(ニッセンは母親の経営する鉄鋼会社を隠れ蓑に、貨物列車に戦争物資を運んでいました)ニッセンとの付き合いにも、ある目的があったのです。

 

列車にあるとされる「金塊」を狙って、「黒い国防軍(社会主義を嫌う武装集団で、反共和国を掲げている)」「ギャング」「トロツキスト(反スターリン主義の集まりで、祖国をスターリンから解放することを目的にしている)」たちが争います。

 

また、ゲレオン達は捜査をするうちに、内部情報が洩れていることに気づき、誰が「黒い国防軍」の仲間なのか探り当てようとしますが…。

 

イェニケ刑事(アントン・フォン・ルッケ)はベンダ行政長官(マティアス・ブラント)の命を受け、密かにヴォルターたちを調べていましたが、それを知られてしまい、殺されてしまいました。(とても心優しいいい人だったのに…)

 

ベンダ行政長官とその娘も、爆弾によって命を失いました。

その爆弾は長官の自宅の書斎の引き出しに仕掛けられたものだったのですが、それは住み込みの家政婦として働くシャルロッテの友人グレータ(レオニー・ベネッシュ)が、「恋人のフリッツ(ヤコブ・マッチェンツ)が死んだのは警察のせいだ」と、フリッツとそのの友人に騙され、自宅へその友人を招き入れたせいで、起きた出来事でした。

 

爆弾をセットして町を離れるつもりで駅に向かったグレータは偶然駅で死んだはずのフリッツを見かけるのです。

自分が騙されていたことを知り、長官の自宅に急いで戻りますが、目の前で爆発は起きました。(長官とその子供の殺害の実行犯として警察に捕まってしまいます)

 

「黒い国防軍」はかなり色々な組織に入り込んでいて、捕まった少佐、死んだヴォルター以外にも、大統領の補佐をしていた男も仲間で、警視総監も言いなりでした。

 

しかも、新たな長官はあの頬に傷のある大統領の補佐をしていた男だったのです。

新しい長官は一連の犯行はヴォルターのせいにして、新たな課「内部改正課」を秘密裏に作り、その責任者にゲレオンを任命します。(まだまだ何かありそうです)

 

シャルロッテは一度はギャングに脅されて冷凍倉庫で凍え死にそうになるし、その後もゲレオンと一緒に車に乗っているときに、ヴォルターの車が正面からぶつかってきて、湖に車ごと落とされてしまいます。

車に体の挟まったシャルロッテは危うく死ぬところでしたが、ゲレオンが必死に救い出しました。

 

その後、列車の行方を追って、列車にたどり着き、先回りして待ち構えました。

その時にゲレオンはヴォルターと争いますが、そのときに、弾が金塊に当たったのですが、様子がおかしく、ヴォルターが叩きつけると折れるはずのない金塊が折れました。

列車にあった金塊は偽物で、中身は石炭だったのです。

列車から顔を出したヴォルターを撃たせたギャングのボスはなぜかゲレオンは殺しませんでした。

 

5/1のデモ隊員殺害事件の裁判で、「共産主義者に命を狙われて、警察が発砲した」というヴォルターの供述に間違いがないかと問われたゲレオンは、嘘をつき、「間違いない」と証言します。(その場に居合わせた共産主義者の人たちや、遺族に罵られます)撃たれて死んだあの女性たちは何にも悪くないのに・・・。

 

シャルロッテは活躍が認められたのか、かねてより出していた願書が受理されて、晴れて殺人課所属の刑事助手となります。

これで夜の商売からは足が洗えるかなぁ…。

 

ゲレオンとシャルロッテがスヴェトラーナの家を捜索するとすでにそこはもぬけの殻でした。

そこに置き去りにされた一枚の家族の肖像画。

伯爵家が描かれていたのですが、そこにいる子供8人はいずれも男で、女の子は一人もいませんでした。

スヴェトラーナと名乗っていた女性は実は運転手の娘ではないか?と推理するゲレオン。

あの貨物列車に積まれた金塊が偽物であったことはスヴェトラーナも知る由がなかったのでしょう。

 

そしてその絵をよく見るとそこに描かれたおもちゃの貨物列車の車両の一つだけが金色で…。

おそらく列車のタンクそのものが金塊だったのではないか?と。その車両はどこに行ったのでしょう…。

その頃、パリのキャバレーでは一人の女性がステージに立ち「黒の伯爵夫人」と呼ばれていました。

そして近寄る男性が一人。あの男性は何者なのでしょう。

 

ゲレオンはとてもモテる男性で、兄の奥さんであるヘルガーとは昔恋人同士で、でも結婚したのはゲレオンの兄のアンノーでした。

兄と一緒に第一次世界大戦に行ったゲレオンは戦地で傷つき助けを求める兄を見捨てた過去があります。(それは今まで誰にも言えませんでした。でも…)

ヘルガーとは10年もの間不倫関係にありました。ベルリンに行って「戻らない」と告げるゲレオンを追って息子のモーリツと共にベルリンにやって来ます。(モーリツは父親の顔も知らなくて、それでいて、叔父さんと母親の不倫に気づいていたなんて…可哀そうです)

 

ゲレオンはベルリンに来てすぐ、ヴォルターのあっせんで世話になった下宿のベーンケ夫人(未亡人)と肉体関係を持ちました。

やさしいゲレオンにベーンケ夫人は心を寄せていましたが、最愛の人ヘルガーがベルリンに来たことで、その関係は終わりました。(ベーンケ夫人、ちょっと可哀そうでした…)

 

一緒に捜査したシャルロッテもゲレオンに惹かれている人物の一人ですが、ゲレオンの横にはヘルガーとモーリツもいて、自分の思いを伝えることも出来ません…。

そして、一人で孤独に踊るシャルロッテ…。

 

ヘルガーが援助を受けながらも、憎んでいたニッセンと面談していたのも気になるところです。(ゲレオンはそのことを知らないみたいだし)

 

その後、一人での帰り道、待ち伏せしていた共産主義者たちに殺されそうになるのですが、なぜかその場にいたギャングに命を救われます。そして薬を嗅がされ拉致されて、そしてあの謎めいた医師シュミットの元へ連れて行かれるのです…。

そして、誰にも話したことのない、思い出したくもない兄との秘密を話すのですが、その秘密を話し終えると、なぜか目の前にアンノーが。

許しを請うゲレオンに「許す」と言って抱きしめあう二人ですが、この目の前の兄は本当に兄なのか?(それとも幻覚なのか?)

 

S3以降が早く見たいです。

 

 

 

不穏な動きをする少佐たち。

 

ナイトクラブで歌う男装の麗人「ニコロス」。

 

昼間は事務員、夜は別の顔を持つシャルロッテ。

 

ベルリンの街は一触即発状態に…。

 

実はこのベッドの奥にはベーンケ夫人が…。

 

鉄道員に探りを入れるシャルロッテですが、実はこの男はギャングの手下だったのです。

 

取り調べをするゲレオンとヴォルター。

 

「モカ・エフティ」のオーナーで裏でベルリンの街を牛耳るギャングのボス・エドガー。

 

ヴォルターとモーリツ。銃の撃ち方を教えています。

 

戦争のトラウマによる発作が起きるゲレオンは、いつも注射を打って凌いでいます。注射器を持っているのはヘルガー。

 

劇中で、エンディングで流れる曲ですが、とても印象的です。