2018/4/12(木) 午後 11:13の感想です。(Yahooブログから移動しています)

 

 

STARチャンネルで放送の『フュード/確執 ベティ vs ジョーン』(全8話)を見ました。

ライアン・マーフィ制作のドラマで、実在した大女優ベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォードの映画撮影時の二人の確執、そしてその後の人生を描いた作品です。

二人は大女優でありながら、なかなかいい役に恵まれず、ジョーンは自分が主役となる作品を見つけ友人の監督に直談判して、ホラー映画の『何がジェーンに起ったか?』に主演したのですが、その撮影現場ではいつも争いが起きていました。

このドラマを見ていると、女優という職業の過酷さがよく表されていると思います。
そして男性優位の映画界で成功と引き換えに何を失ってきたのか…。

ある場面では、自宅で歯を磨くジョーンが歯ぐきからの出血が止まらずに歯医者に行ったときに、過去に奥歯を6本も抜いたことを指摘され、そのせいで歯がガタガタになってしまったと言われます。

ジョーンは昔、映画関係者に顔のラインを綺麗に見せるために「アゴを削れ」と言われて、それは嫌だったので、歯を抜いた、と説明します。

歯医者はジョーンの年では見た目よりも体のことを労わっては…と言いますが、「死んでホルマリン漬けになるまで美しくいる」と即答します。(凄いセリフですよね)

ベティはベティで演技力には定評があるものの、若いころはなかなかいい役に出会えず、映画製作者にジョーン・クロフォードのような美貌があれば起用する、と言われました。(容姿を変えることはできない、だからこそ、ベティは演技にこだわっていたのかも)

『何がジェーンに起ったか?』の演技で、ベティ・デイヴィスはアカデミー賞の候補になりますが、ジョーンはノミネートされませんでした。

そのことを深く恨んだジョーンはわざわざ授賞式のプレゼンターとなり、物凄い執念でオスカー像を手にしました。(受賞者の代理でオスカー像を受け取ったのです。まるで自分がもらったように…(-_-;))

そんな因縁のある二人が、また映画で共演することになったのですが…。
どうなっていったのかは、どうぞ本編をごらんください。

主役の二人を演じた女優の演技は迫力があって凄みに圧倒されました。
また往年の女優たちを彩る衣装やセットなどがとても素敵で、ゴシップライターの女性の羽根のついた帽子も素敵ですし、ジョーンがアカデミー賞授賞式に着て行った、あの銀色のドレスは20kgも重さがあったそうです。(着て演技をしていたジェシカ・ラングは大変だったでしょうね)

ライアン・マーフィのドラマではおなじみのサラ・ポールソンやキャシー・ベイツも出演していますし、他にも多彩な出演者が出ているのも魅力の一つです。