こんばんは。図書室の先生です。

 

私は今年度小学校2校、中学校2校の4校を担当しています。

 

その4校のうちの、2018年に着任してからずっと関わっている中学校で、こんなことがありました。

 

今年度最後の選書をしようと、リクエストボックスを開けたら『世界がもし100人の村だったら』のリクエストが入っていました。

 

 

 

 

 

「懐かしい本だな。たしかこの本、館内にあったはず」

 

と思って探してみると、かなりくたびれてはいましたが、ありました。

 

 

 
まだリクエストの仕組みがができていないため、館内にあることを伝えようと(リクエストカードに記名がないことも多いのです)、リクエストボックスの近くにブックスタンドを使って展示しておいたところ、
 
通りがかった先生がじっとこの本を見つめていて、
 
「…この本、どうしてここにあるんですか?」
 
と、私に尋ねてきました。
 
 
なんでも数日前、授業でこの本の話をした、とのこと。
 
 
先生のお話から、興味を持って「読みたい」と思った生徒がいたのでしょう。
 
 
で、読んでみたい意思表示をリクエストボックスに入れた。
 
 
それを見つけた私が展示したら、話をした先生がそれに気づいて、話をしたクラスで「図書室にあるよ」と声を掛けようとしている状況に出くわしたのでした。
 
 
 
先生と子ども達と図書館が、カチッとはまった音がしたような気がして、鳥肌が立ちました。
 
 
巡回勤務であったり、地域に公共図書館がなかったりで、
 
 
果たして図書館が自分のくらしとどうかかわるものなのかを知らない子どもたちが多い中、
 
(もちろんおうちの人の影響でとなりまちの公共図書館を利用している子どもも中にはいますが)
 
着任してから4年間、この瞬間が来るのを待っていました。
 
 
 
 
「これからも授業で本の紹介をしていただいて、学校司書に声をかけていただいたら館内にあればすぐに本を出しますし、ない場合は他館から取り寄せますので活用してくださいね」
 
と、今回お話した先生に伝えました。
 
 
 
来年度もこの学校に勤務できたら、もう少し「つながり」を作ることができそうです。担当している4校のうち利用者が一番多いのもこの学校です。
 
公共図書館のない自治体で図書館活動を活発にしていくのは容易なことではありませんが、
 
少しずつ手ごたえを感じ始めたのは、
 
4年という歳月のおかげなのかもしれません。