こんばんは。図書室の先生です。



今回は、学校図書館の選書についてのお話です。


今さらですが、改めて、国語の紹介図書が他の教科に横断するように構成されているとききました。


最初の年、右も左もわからない中、


ある勤務校のベテランの司書教諭の先生に「私(学校司書)にやってほしい仕事はなんでしょうか?」と尋ねると、


「私も異動してきたばかりなので、国語の教科書で紹介されている本がこの学校にどれくらいあるか調べてほしい」


という答えが返ってきました。


そこで、他の勤務校も同様の作業をしつつ、本の廃棄を進めていきました。


今さらですが、やってきたことはそれほど間違っていなかった様子だと分かり、安堵しています。


その結果、


私が昨年度まで受け持っていた学校は、改訂後の新単元と、それまで不足していた本であった方がよいものを提案すれば良いところまで作業を終えて新年度を迎えることができました。


おかげで新学期から、わずかにですが子どもたちのリクエストにこたえられそうになってきた学校もあります。


一方、


私が巡回していなかった4校については教科書掲載本のチェックは全くされていない状態で、


更には前任者の様々な残務が山積している状態です。


年度末に購入した本がドサッと段ボール数箱分あり、



昨年度重点的に行うように指示されていた廃棄はどの学校も中途半端。



中には辞書ばかり50冊近く購入してあった学校もありました。


新型コロナの影響で休館していた分、残務処理に時間を割くことは出来たはずなのですが、2人で7校まわる体制になり巡回頻度が減ってしまていることもあり、まだ終わりが見えません。


昨年度。



学校図書館経験が長いベテランだときいていたので選書の相談を持ちかけ、



私が教科書で紹介されている本をチェックして、購入計画を立てている話をした時には


「教科書の本は面白くないから、買っても意味がない。私みたいに面白い本をたくさん買ってください」


と言っていた前任者でした。


(前任者は昨年度の途中から休みがちだったそうで、結局1年で辞めてしまいました。)


7校巡回してみると、


確かに彼女と同じような考えの司書教諭がいることも分かりました。


しかし、


「面白い本」って、一体、どんな本なんでしょうか。




そして、学校図書館で購入する本は、それだけで良いのでしょうか?


これが、今の私の大きな疑問となっています。


前任者が選書し、購入したまま置いていった本を受け入れしながらみていると、


決まった作家の小説やエッセイ、絵本など9類の本がほとんどで、


廃棄についても9類のみ手を付けてある様子です。


前任者の「面白い」は、すなわち前任者の主観と、


書店に平積みされているような本を指すようだということがなんとなく分かってきました。


確かに前任者が私と働くようになるまでいたところは図書館活動が活発で、


学校司書が授業支援で入ることが当たり前であったようです。


図書の管理もPCでしていたことから、貸出数をあげることが仕事の評価に繋がっていたのかもしれず、


そう考えれば確かに、子どもたちが借りそうな本を選んで購入することに力を入れるのも、分からなくもないようにも感じます。


しかも、


調べ学習の本は公共図書館に頼めば揃えて持ってきてくれるから学校図書館で買いそろえる必要も無かったかもしれません。


だから、9類の本を掘り下げ、購入計画を立てればそれで済み、授業支援が学校司書の仕事だと思っていたのかもしれません。


一方、私の勤務先は、


授業に学校司書が入ること自体が定着しておらず、


やっと図書館オリエンテーションの時間をもらえるようになった学校がちらほらある状態です。


中には学校司書巡回日で私たちが図書館内にいても、担任が図書館オリエンテーションをやって帰る学校もあります。



前任者に「絶望した」とまで言われた学校図書館7館をなんとかするべく、


今週も教科書掲載図書のリストチェックと、


廃棄作業に明け暮れる一週間が始まります。