こんにちは。図書室の先生です。


9月に新学期が始まり2週間が経過しました。


私は複数校勤務のため、新学期1週目の週末までに夏休み前に貸出した本を返却してもらい、


2週目の週末までに1学期に借りた本の返却が遅れた児童生徒に督促状を発行する、という、比較的緩やかなスケジュールで動いています。




私の担当している小学校(複数校)は、学年によって図書室の利用の仕方に制限かあります。


一定の学年以上は、昼休みに個人で図書室に来て、図書委員に手続してもらって本の貸し借りをすることができますが、


一定の学年以下の児童は、担任の先生と一緒に図書室に来室し、クラス単位でしか本を借りることができません。


これは、学校司書が入る前からの決まりで、今でも変わりません。


とある小学校での新学期の出来事です。



新学期始まって2週目になり、1週目にクラス単位で返却に来て、そのまま2学期の貸出をしたクラスが、担任の先生と一緒に図書室にやってきました。


一定の学年以下のクラスです。


先に全員返却手続を済ませてから、貸出したい本を探して、見つかった人から貸出手続をしていくのですが、


とある児童の貸出手続をしようとしたところ、返却手続が済んでいなかったため、アラーム音が鳴ってしまいました。画面には、


「貸出中の本があるので、借りられない」


というメッセージが出ています。



私は、アラーム音が鳴ったので、該当する児童に「今日、本を返したかどうか」の確認をしました。


すると、


「本借りてない」


といいます。しかし画面には貸出した先週の日付と、借りた本の名前、借りた児童の名前が出ています。


私の巡回日は、学校司書である私ががバーコードを読み込む手続をするのですが、


私がいない日は、担任の先生が手続をしています。


このクラスが貸出した一週間前の日は私の巡回日ではなく、


担任の先生が貸出手続を取ったはずでした。


私は担任の先生に画面を見せて、該当する児童は既に貸出している本があり、返却していないため今日は貸出できない旨伝えたところ、


「この子の貸出手続をした記憶、無いんで、この子、貸出していないはずです」


と言うのです。


貸出した日付の日に私は他の学校に勤務しており、


昼休みに貸出できない学年なので、


当番の図書委員のミス、ということはありえません。


貸出手続したのは担任の先生のはず。


担任の先生が出張などで不在の場合は、どなたか補教の先生が引率して貸出手続したはずです。


再度私が画面を見ながら説明しても、


「私はこの子の本を貸出した記憶が無いんです」


と言って私をじっと見つめ続けます。


……。


…じっと見つめられても。


この本の貸出記録は取消せません。記憶の曖昧さを記録で補うための図書システムです。


業を煮やした私は、


「貸出した記憶がないとすると、前回返却手続がうまくできていなかったものを、手続しないで無断で持ち出したというケースも考えられなくはないので、PCの学校内掲示板に、該当の本を学級に持ち込んでいないか、問い合わせをかけてみますね」


と話して、一旦教室に帰っていただきました。




その後、じっと見つめ続けた担任の先生ではなく、


指導助手の先生が、本を借りたかどうかわからなくなってしまった児童と一緒にやってきました。


「この子が借りたのに、他の子の机の中から出てきました」


とのこと。


私は複数校受け持っていることもあり、確実に「このクラスのこの子がやらかしそう」と覚えていることができていません。


しかしこのクラスは、前にも「この子が本を借りたかどうだか覚えていない事件」があったことを記憶しています。


同じ児童かどうかは忘れてしまいましたが、今回の児童は、


指導助手の先生から促されてやっと「ごめんなさい」と言うような感じの子に見えたので、おそらくこのあとも何度かこういうことが起きる可能性がありそうです。


指導助手の先生には、本が見つかって良かった、と言いましたが、


その一方で、


「いくらじっと見つめても、貸出した本をなくしたことは、なかったことにはならないから」


「あなたが操作した以外に、誰が貸出するの?ひょっとしてクラスの子どもにやらせたのかしら?」


と、担任の先生に言ってやりたくなりましたがそこはグッと堪え、


「本が見つかりました。」


と、PCの校内掲示板に報告して終わりにしました。


この学校は、以前から貸出マナーが良い方ではなく、かねてから


「同じ自治体内の学校なのに、どうしてこんなに差があるのだろう」


と感じてるのですが、


原因の一つは、先生方が図書室に対して「他人事」のような位置付けをしていることにあるのかもしれません。