ヤコブが天使と組打ちして勝利し。イスラエルと改名。の謎。

 

創世記32章  

 

24 ヤコブはひとりあとに残ったが、ひとりの人が、夜明けまで彼と組打ちした。

25 ところでその人はヤコブに勝てないのを見て、ヤコブのもものつがいにさわったので、ヤコブのもものつがいが、その人と組打ちするあいだにはずれた。

26 その人は言った、「夜が明けるからわたしを去らせてください」。ヤコブは答えた、「わたしを祝福してくださらないなら、あなたを去らせません」。

27 その人は彼に言った、「あなたの名はなんと言いますか」。彼は答えた、「ヤコブです」。

28 その人は言った、「あなたはもはや名をヤコブと言わず、イスラエルと言いなさい。あなたが神と人とに、力を争って勝ったからです」。

29 ヤコブは尋ねて言った、「どうかわたしにあなたの名を知らせてください」。するとその人は、「なぜあなたはわたしの名をきくのですか」と言ったが、その所で彼を祝福した。

 

【内訳】

 

長子エサウと次子ヤコブは、

各々サタンが侵入したアブラハムの最初の万物献祭、

 

サタンを分立した二番目の実子

イサク自身献祭の象徴であり、また、

 

彼らは、各々カインとアベルの立場から、

本来献祭しなければならない

 

悪と善の表示体でもあった。

エサウとヤコブが、胎内で争ったというのは

(創二五・22〜23)


22 ところがその子らが胎内で押し合ったので、リベカは言った、「こんなことでは、わたしはどうなるでしょう」。彼女は行って主に尋ねた。

23 主は彼女に言われた、「二つの国民があなたの胎内にあり、二つの民があなたの腹から別れて出る。一つの民は他の民よりも強く、兄は弟に仕えるであろう」。

彼らが、各々悪と善の表示体に分立されたカインとアベルと同様、相対立する立場に立ったからである。 



また、神が、胎内にいるときから

ヤコブを愛し、エサウを憎んだというのは

(ロマ九・11〜13)


9/11 ‌まだ子供らが生れもせず、善も悪もしない先に、神の選びの計画が、


9/12 ‌わざによらず、召したかたによって行われるために、「兄は弟に仕えるであろう」と、彼女に仰せられたのである。


9/13 ‌「わたしはヤコブを愛しエサウを憎んだ」と書いてあるとおりである。


 

 

彼らが各々

アベルとカインの立場で、既に上述したような


献祭の失敗を【償いでの救済】しなければならない、

善悪の表示的な存在であったからである。


エサウとヤコブが心情一体化で、サタン性質を洗礼するためには、それに先立って、ヤコブがアベルの立場を【償いでの救済】する条件を立てなければならなかった。

 

 

そこで、ヤコブは次のようにして、心情一体化の中心人物であったアベルの立場

 

 

を復帰【回復】するための【償い】条件を立て、

心情一体化の条件をささげたのちに、

 

 

アブラハムの万物献祭「象徴献祭」の失敗による

四〇〇年間の【償い】路程を歩むために、

 

エジプトに入ったのである。

【理由】


第一に、ヤコブは長子の権利を個人的に復帰【回復】する争いで、

勝利の条件を立てなければならなかった。

 

サタンは、神が創造された被造世界を、長子の立場から占有しているので、


神は、次子の立場から、その長子の権利を取り返してくる【神の計画】をなさるのである。

 

神が長子を憎んで次子を愛した理由はここにある

(マラキ一・2、3)


 2 主は言われる、「わたしはあなたがたを愛した」と。ところがあなたがたは言う、「あなたはどんなふうに、われわれを愛されたか」。主は言われる、「エサウはヤコブの兄ではないか。しかしわたしはヤコブを愛し、

3 エサウを憎んだ。かつ、わたしは彼の山地を荒し、その嗣業を荒野の山犬に与えた」。


そのため、長子の権利を復帰【回復】しなければならない使命をもって

胎内から選ばれたヤコブは、

 

次子の立場から、知恵を用いて


パンとレンズ豆のあつものを与えて、エサウから長子の嗣業を奪ったのであるが

(創二五・34)


34 そこでヤコブはパンとレンズ豆のあつものとをエサウに与えたので、彼は飲み食いして、立ち去った。このようにしてエサウは長子の特権を軽んじた。


ヤコブは長子の嗣業を重んじてそれを復帰【回復】しようとしたので、


神はイサクに彼を祝福させた(創二七・27)


27 彼が近寄って口づけした時、イサクはその着物のかおりをかぎ、彼を祝福して言った、「ああ、わが子のかおりは、主が祝福された野のかおりのようだ。


 

これに反してエサウは、それをパンとレンズ豆のあつもので

売ってしまう程度に軽んじたので、彼を祝福なさらなかったのである。

第二に、ヤコブはサタン世界であるハランに行って、

 

二十一年間苦労しながら、家庭と財物とを中心に、

長子の権利を復帰【回復】する争いで勝利してカナン【神祝福の地】に

帰ってきたのである。

第三に、ヤコブは、ハランから神が約束されたカナン【神祝福の地】の

地へ帰ってくるとき、ヤボクの河で、

 

天使との組み打ちに勝利して、実体で天使に対する

主管性を復帰【回復】したのである。ヤコブはこのようにして

 

ついに、アベルの立場を【償いでの救済】し、心情一体化のための中心人物となったのである

これでエサウとヤコブは、神がアベルの献祭を受けられるときの、

カインとアベルの立場を確立したので、彼らがサタン性質を洗礼条件を立てるには、

 

エサウはヤコブを愛し、彼を仲保として

彼の主管を受ける立場で従順に屈伏し、祝福を受けた

ヤコブから善を受け継いで、善を繁殖する立場に立たなければならなかった。

 

事実においても、エサウは、ヤコブがハランで二十一年間の苦役を終えて、天の側の妻子と財物とを得てカナン【神祝福の地】へ帰ってきたとき、

 

ヤコブを愛し、歓迎したので

(創三三・4)


4 するとエサウは走ってきて迎え、彼を抱き、そのくびをかかえて口づけし、共に泣いた。



彼らは「サタン性を洗礼【償い】条件」を立てることができたのである。

 

このように、彼らは、アダムの家庭のカインとアベル、

ノアの家庭のセムとハムが、

心情一体化に失敗したのを【償いでの救済】することができたのである。

 

このようにエサウとヤコブが心情一体化に成功した。

神はエサウを胎内より憎んだと

ロマ書九章11節から13節


9/11 ‌まだ子供らが生れもせず、善も悪もしない先に、神の選びの計画が、


9/12 ‌わざによらず、召したかたによって行われるために、「兄は弟に仕えるであろう」と、彼女に仰せられたのである。


9/13 ‌「わたしはヤコブを愛しエサウを憎んだ」と書いてあるとおりである。


までに記録されているが、このように

 

エソウはヤコブに従順に屈伏して、自分の責任分担を果たしたところから、

復帰【回復】したカインの立場に立つようになり、

 

ついに、神の愛を受けるようになった。

 

したがって、神が彼を憎んだと記録されているのは、

ただ、彼が【人類救済計画】の蕩減【償い】条件を立てていく過程において、

サタンの側であるカインの立場であったために、憎しみを受けるべきその立場にあったということをこう表現されたものにすぎない。

 

最終 天使を神が使わしてヤコブと戦わせたとあり

それに勝利することで 完全勝利し ヤコブからイスラエルと名前を神から授かったのである。

 

イスラエルの起源は神が人類救済で初めてなしえた勝利の象徴なのだ。