おじいちゃん、ご飯食べた?
おばあちゃんがいつもより
甲高い声で聞くので
代わりに僕が、
「まだ!」とこたえた。
庭いじりするおじいちゃんは
いつも熱中すると時間を忘れ、
何を言っても無駄だ。
僕のじいちゃんは、ここいらではちょっと腕のいい庭師の師匠として有名だ!
僕は、そんな夢中で
庭を手入れするじいちゃんを見ているのが好きだ。
チョキ、チョキ・・・、
とがった松の枝を、絶妙なリズム感で切っていく。
まるで、地球の床屋さん。
「ぼぅず!
学校はどうだ?楽しいか?」
「うん、まあまあ、」
そうか、まあまあか。
・・・チョキ、チョキ、
そんな、途切れ途切れだが
突然会話を投げかけてくる空気が心地いい。
大地から空に向かって
大きく両手を広げているような立派な松の木。
そんな松の木に、
じいちゃんは一言も
発してはいないが、
僕には会話をしながら切っているようにも見える。
「じいちゃん、
松の木はなんて言ってるの?」
「何にも言っとらんよ!」
(やっぱり聞こえなないんだな、木の声なんて)
「今は、スヤスヤ寝てっからな。気持ち良さそうだろ!」
「わかるの?」
「あたりまえだろ!何年庭師やってるとおもってんだ!」
「相手の気持ちがわかんなきゃ、ハサミなんて入れらんねーぞ!」
「木にはな、ぼぅず、
こっちから話しかけるんじゃ
ないんだよ!」
「話を聞くんだよ、」
「相手が話してくれるまで
心を開いて待つんだ!
聴き上手になるってこった!」
「自分の事ばっか話すんじゃなくてちゃんと相手の気持ちを聞いてやるんだ、そうすると、
いっぱいしゃべってくれるぞ。」
「大事な、友達だからな!」
「ふーん。」
すると、また甲高いばあちゃんの怒鳴り声が聞こえる。
ばあちゃん
「おじいちゃん!
早くご飯たべなさい!冷めちゃうでしょ!まったく💢」
どうやら、じいちゃんには
人間の声はあまり
聞こえないみたいだ!
僕「今行くよ!」
じいちゃん
「ばぅす。昼飯はまだか?」
僕「カレーできてるって!」
じいちゃん「またカレーか!」
by機動天士ランダム

