ちまこの読書感想日記

たくさん本を読んできたが、記録を一切つけてこなかった事を今更悔やんでいたりする。

独断と偏見に満ちた感想を書いていくよ。

ちなみに悪意のあるコメントなどに対しては、まことに勝手ながら削除していくことにします。


テーマ:
ふくわらい/朝日新聞出版
¥1,575
Amazon.co.jp

≪e-honより≫
紀行作家の父から、マルキ・ド・サドをもじって名づけられた鳴木戸定。書籍編集者の定は、身なりに無関心、感情を表さずに人付き合いも機械的にこなす。一方で、彼女は、旅先でワニに食べられて死んだ父親の死肉を食べた女として、世間に名を知られていた。ふくわらいが唯一の趣味である彼女は、猪木になりきれなかったロートルプロレスラーのエッセイを担当することになってから、人との距離を少しずつ縮めていく。「作品を書かせたかったら、今すぐ雨を降らせろ!(またはやませろ!)」という作家の無茶な要望に応え、街でナンパされた盲目のイタリア人(と日本人のハーフ)の男性に処女を捧げる定の、何物にも汚されない真っ直ぐな姿を描くエンタメ小説の傑作。



特異な育ち方をしたがゆえであろうか、「普通こう来たらこう答えるだろ」的な感覚を持たない定が、ある意味うらやましくなる瞬間がある。カッコよくすら思えてくる。

途中まで定には体温すらないのではないだろうかと思ってしまうのだが、年下の美人同僚と親しくなり、彼女に「友達」と言われたあたりから定の人間的な暖かい感情が表現されてくる。

この美人同僚、自分の容姿を美人と認識しているが、顔で判断されるのが嫌だというなかなかに骨のある女。

こういう「女」に媚びない人、好きです。

その他、魅力的な登場人物といえば、定を猛烈に口説き落とそうとする目の不自由なイタリア男。

この男は目が不自由ゆえに定を外見でなく、手に触れた感触、会話した感触、とにかく自分が感じた定の内面的なものを100%信じきってアピールしてくる。

こういう男もなかなかいないが、ステキだと思う。なんか人間として信用できる気がする。


ラストもこれまた特異ではあるが、すがすがしい終わり方でした。

ただ、好き嫌いが分かれる作品だと思われるので本屋大賞はとれないと思うよ。


評価:☆☆☆☆


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事  もっと見る >>

テーマ:
幸せの条件/中央公論新社
¥1,680
Amazon.co.jp

≪e-honより≫

新燃料・バイオエタノール用にコメを作れる農家を探してこい!突然の社長命令を受け、片山製作所・伝票整理担当の梢恵は、縁もゆかりもない長野の農村へ。ところが行く先々で「コメは食うために作るもんだ。燃やすために作れるか」と門前払い。さらには農業法人「あぐもぐ」の社長・安岡に、「まずは体で一から農業を知れ」と一喝され、これまで興味も知識も皆無だった農業に取り組むことに。そこで初めて農家が抱える現実を思い知るが…。彼氏にも、会社にも見放された24歳女子。果たして、日本の未来を救う、新しいエネルギーは獲得できるのか?農業、震災、そしてエネルギー問題に挑む感動の物語。



これ、文句なしに面白いです。


淡々と物語というか農業の様子が書かれていると言えばその一言で済んでしまうのだが、一人の若い女性の成長物語という観点から評価すると、大事なことを自分で見つけ、少しだけ成長したという所で終えているのがとても良かったです。

大げさすぎなくて好き。


取材した場所が自宅近隣であったことからも、雪に覆われた山々や秋の金色に輝く田んぼの情景が目の前に広がってきて、どんどんと物語に惹き付けられました。


エネルギー問題に関しては、冗談でなく休耕田が年々増加してきているので、お話の中だけでなく本当に実現しないかなぁと思う。


この辺の方言をもっと使ってくれていると、より一層良かったのになぁと少しだけ残念に思いました。


でもとにかく良いです。


評価:☆☆☆☆☆


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

2月恒例、バレンタイン仕様です。



ちまこの読書感想日記


左側の棚が残念。赤い布が足りず・・・

なもんで、アイキャッチとして視線を上げることで誤魔化そうと「新着図書」ロゴを左上に持ってきてみました。

画像で見るとあんまし誤魔化されてないね。



ちまこの読書感想日記

例年通りだと、メインの展示コーナーもバレンタイン仕様&恋愛小説特集にするのですが、進路先が決まった3年生の、いわゆる「暇つぶし特別編成授業(=放っておくわけにはいかないから、何か授業をやらざるをえない)」で図書館でも授業をしていたので、本のPOPを作ってもらいました。

昇降口に作品を展示してあるため、該当の本をまとめて「3年生オススメ本コーナー」として展示しました。


14日も過ぎちゃって、次はどんなディスプレイにしようか・・・

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:
64(ロクヨン)/文藝春秋
¥1,995
Amazon.co.jp

≪e-honより≫

D県警史上最悪の重要未決事件「64」。この長官視察を巡り、刑事部と警務部が敵対する。その理由とは?さらに衝撃の展開が――。



売り文句通りの一気読みではなかった。

前半が派閥やら利権争いやらのお話で面倒くさい感じ。


が、しかし!!

後半は面白かったー!

三上が「64」捜査に関わった者を片っ端から洗っていくあたりから、グググイっとボルテージが上がっていきました。


自身も家庭で問題をかかえているにも関わらず真摯に仕事へ向き合っていく姿は、ただ格好良くてシブいだけの警察モノよりもずーっと共感が持てて惹き付けられるものがありました。

「64」事件を模倣した犯人やその犯行に加担していた元警官の思い。

小説の中ですべてが解決されなくても、その余韻や今後への希望が持てる終わり方も絶妙で泣けました。


良いです。


評価:☆☆☆☆☆


いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:
望郷/文藝春秋
¥1,470
Amazon.co.jp


故郷というものは、温かく優しいものであったり、苦かったり、厳しいものであったり・・・

一人一人何かしら思うところがあるのだと思う。


湊かなえは、とりわけ女性の深層心理を上手く描写して、どこかしら怖さが残る小説を書くイメージがあるけれど、今回は苦い中にも深い優しさが残るような良い短編集でした。


白綱島という瀬戸内の小さな島を軸とした6編からなる短編集。


「みかんの花」

高校卒業間近で駆け落ちして島を出て行った姉が、島の閉村式に島出身の著名な作家として戻ってくる。

父は昔、事故死(不倫関係にあった若い娘とともに)したが、母は出て行く勇気を持てず子どもらと島に残って暮らす。

みかん畑を売却した後日、ヒッチハイクの青年が家に住み着く。姉はその男と駆け落ちした。

妹は姉に母を押し付けられたと思いながら島で暮らし続けている。


真相

畑を売却した金目当てに男が家捜しをしていたところに母が出くわしてしまい、思わず殺してしまう。

姉は自分が殺したことにし、同級生の手を借りて島のシンボルであるオブジェ下に男を埋め、母をかばって駆け落ちという偽装をして島を出た。


「海の星」

父が失踪した洋平と母は、父が戻ってくるものと信じて暮らす。

釣りがきっかけで知り合ったおっさんは、いつも洋平たちに魚やお菓子を届けてくれる。

おっさんは母が目当てであると思っていたが、実は父が死んでいることを知っていた人物であった。


「夢の国」

厳格な家で育ちドリームランドへいつか遊びに行くことを夢見ていた夢都子。


「雲の糸」

若手アーティストのヒロタカ。

彼と彼の家族は島で皆に無視され続けた。母が父を殺したから。

島の有力者である鉄工所の息子にもいじめられ続けた。

その鉄工所のパーティーにゲスト出演しろと連絡が入り仕方なく島へ帰るが、島から離れずに暮らしていつ母と姉に苛立つ。

が、母が実は自分を助けるために父を殺さざるをえなかったことを知る。


「石の十字架」

千晶は心もとない言葉でいじめを受けた娘の志穂と、かつて祖母と一緒に暮らした島で暮らしている。

千晶の父は心に病を持って自殺、母は自分を責めながらも島で暮らす千晶に仕送りをしてくれていた。

島で孤立しがちだった千晶は、クラスでも大人しいめぐみと仲良くなる。


「光の航路」

航は順調に教師という仕事をこなしてきていた。島へ赴任してくるまでは。

いじめ加害者の親が、逆に被害者面をするという難しい案件をかかえてしまう。

放火被害にあい入院していた際に父の教え子である畑野が尋ねてくる。

かつて酷いいじめを受けていた畑野は、担任であった父に助けられたと言う。

幼い頃に舟の進水式を見に行った際の誤解が解ける。


評価:☆☆☆☆☆


いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。