引っ越しの際、2年間飼った金魚と
お別れしなくてはならなかった。
可愛がって育てたので辛かったが
移動の2日間、空気が無い密閉状態で
熱い水の中に入れたまま運ぶと
もれなく煮魚になると思い
友達や知り合いに
金魚を飼って貰えないか聞いてみたが
みな生き物を飼うのが苦手らしく
断わられてしまった。
まぁ確かに水替えは大変だし
フィルターや水質安定剤などを入れると
なんだかんだでお金も掛かる。
しかも皆、子育て中なので
それでなくても忙しくて自分の時間が取れない。
金魚の為に時間を割けない・・・っと言うのが本音だろう。
とてもよく分かるので、無理強いも出来ない。
そして家族会議をして出た答えが
娘の保育園のすぐ下にある
大きな池に放してあげる事だった。
そこは金魚や鯉、フナみたいなのがいっぱい住んでいて
明るい場所にあるとても広い池なので
魚類がストレスフリーで暮らしている様が
金網の間から、いつも良く見えていた。
金網のお陰で猫も来ない。
幸い4匹とも夜店の金魚出身のくせに
12㎝ぐらいもある立派な金魚?鯉?に育っていたので
生きて行けると信じた。
娘は悲しい…悲しい…と言いながら
1匹ずつにお別れを言って 、静かに池に放すと
全員、猛烈な勢いで泳いで行って
すぐに見えなくなった。
呆然と立ち尽くす5歳・・・・。
娘はここで「恩知らず」っと言う言葉を学んだ。
家に帰って空っぽの水槽を見ると辛いだろうと思い
すぐに水槽は処分した。
引越ししてからも、娘は事あるごとに
「金魚はたのしく暮らしてるのかなぁ・・・」
っと言った。
私は
「あんな狭い水槽で飼うより、ずっといいよ。
子ベッキーだって、4畳半ぐらいの部屋で
ずっと4人で走り回って遊べってって言われたら
広い所に出たくなるでしょう?」
っと言うと、妙に納得した風だった。
引っ越して4日目。
散歩をしていると、うちのすぐ側の
市が管理している「ため池」の柵に
子供が数人いるのが見えた。
なんだろう・・・っと思って、柵からため池を覗いてみると・・・・
なんじゃこりゃーっ!
そこには無数の鯉が住んでいた。
15メートル四方のため池に
100や200じゃない・・・サウザントクラスの鯉です。
娘は、それはそれは喜んで
キャ―――っと叫び
すぐに家から、金魚の餌を持ち出して
花咲じじい風。
撒くわ、撒くわ・・・・・。
ウジャウジャウジャウジャーーーーっと
鯉が集まって来て、鳥肌もんでした。
娘はこれで大変元気になり
保育園から帰っての日課は
ため池の鯉の餌やり・・になったそうな・・・。
めでたしめでたし・・・・。

