気の毒友人は新しい家に引っ越してから

それはそれは忙しく働いて片付けても

なかなかダンボールの数は減らないらしく

育児もあるし…で
毎日ヘトヘトだと言っている。


そして

「もう1つ問題があるんや…」

っと言って

友人はちょっと考え込んだ後

「あのな…気配がするんや…。でな…」

っと言ってまた黙った。


私はこの年まで
結構色んなものに遭遇しているので
大して驚きもしないが

一緒に聞いていた別の友人は
疑いの眼を向けながらも
やはり怖いらしくて、フリーズし

「な、なんか見えたの~~?」


っと固まりながら聞いた。

すると気の毒友人は

「私は今までそんなの見た事ないし
どちらかと言うと疑ってたし……
でも…見えたんよ……顔が…」


「顔???澈」


詳しく話を聞くと

昼夜関係なく、男の人の顔だけが

勝手口や、キッチンに現れるらしい。


知らない顔らしいが
不思議と怖い感じや
危害を加えそうな感じは無く

ただただ顔だけ現れるんだそうだ。


真剣に話している友人には悪いが、私は


顔だけ出る…って

「顔だけ出してる側」は
気付いてるんだろーか…

本人は全身で出てるつもりだが

実は顔だけしか見えてない事が
見えてない(ややこしい)んじゃないか…

だから

「顔しか見えてませんよ~!」

っと優しく教えてあげたら

顔しか出てない自分に驚いて
もう顔さえ出せない恥ずかしい思いを
するんじゃないか………

っと
そんな事を考えて笑ってしまった。


「も~~ベッキーはぁ~!
また変な妄想しよったんやろー!!」


っとバレバレで


「ベッキーは慣れててもな~
私はちょっと怖いねんで~~~!」


っと言われ


「笑ったバツとして
片付いたらうちに来てな~~~!」

っと、新手のお誘いをかけられた。


なので、妄想笑いのバツは

「顔だけ出てる人の前に顔を出す!」


っと言う
有り難くないものになってしまった。


っと言っても
私に顔出してくれるとは
限らないと思うんだけど………。