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【東方神起】<後編>日本デビュー10周年! ひたむきな努力の結晶「WITH」ツアー・ファイナルを完全レポート
東方神起が4月2日、日本デビュー10周年を記念した自身2度目となる5大ドーム・ツアー「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」のファイナルを東京ドームで迎えた。2月の福岡ヤフオク!ドームを皮切りに、全国5か所16公演で75万人、ファイナルのライブ・ビューイング(7万5000人)をあわせると82万5000人を熱狂させた10年の集大成ライブをレポートする。

「できればですね、“時間を止めて”もうちょっと皆さんといたいなぁ、と思うんです」。
今月27日に日本デビュー10周年を迎える、韓国出身の人気グループ、東方神起が4月2日、自身2度目となる5大ドーム・ツアー「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」(全国5か所16公演)のファイナルを東京ドームで迎えた。
東方神起のツアー・ファイナル@東京ドームのレポート後編をお届け。
ロングMCで会場を爆笑の渦に巻き込み、和やかなムードに包まれていた雰囲気をガラリと一変、ここからは、“涙腺崩壊パート”へ。まずは『Calling』だ。ピアノのアルペジオから徐々に楽器の音色が重なりスケール感が増していく。そこに、幾重にも折り重なるユンホとチャンミンのロングトーン。ふたりの声が共鳴しあい、楽曲の世界観がどんどん増幅していく。ドラマチックな展開に誰もが引き込まれると、ドームいっぱいに響きわたるチャンミンのロングトーン……。続く、『Duet』は、再始動後のアルバムで人気を博した楽曲。歌詞は男女間を描いているけれど、ふたりの姿にも当てはまった。見つめあいながら、声を重ねてハーモニーを、“終わることないデュエット”を奏でる。曲は途中で止まり、ふたりの声が会場にこだますると会場が暗転。
すると、聞こえてきたのはハープの音色……『どうして君を好きになってしまったんだろう?』だ。“天上”を照らしていたすべてのスポットライトが一点に、ふたりに降り注ぐ。光の中で、懸命に、想いのすべてを込めるように言葉をつむぐユンホとチャンミン。そして、このパートの最後を『Chandelier』で飾った。リストバンド型のペンライトがオレンジの光を放ち、ドームがまるでシャンデリアのよう。シャンデリアは“家”の象徴。ここが“ホーム”だというかのよう。スクリーンには、流れ星もきらめき、あたたかさに包まれる。その中で、一つひとつの歌詞をたしかめるように大切に歌っていくふたり。歌詞は、この先にある“しばしの別れと再会”を意識したものというのは明白。涙ナシに聴けるはずがなかった。
涙でしっとりとした雰囲気に包まれる会場。その中で映し出される映像は、「History of 東方神起」。先の映像同様、図書館で回想するふたり。『Humanoids』『Something』『Sweat』など過去の映像が次々とフラッシュバックする。そして、過去のやや幼さを残したユンホとチャンミンを、現在の成長したふたりが見つめる。回想からめざめ、目を開けたユンホとチャンミンは、互いの拳を軽くぶつけあう。“よくここまでふたりでやってきたな”という声が聞こえてきそうだ。あたたかなシーンに、会場から大きな拍手が沸き起こった。そんな空気を、1冊の本が切り裂いた。「東方神起 危機一髪」と名打たれた本から巻き起こる竜巻に飛ばされそうになるふたり。本を閉じようと懸命に手をのばし……!

映像中の“過去のふたり”とリンクするように披露するのは『Humanoids』。メタルブルーとピンクのジャンパーをそれぞれ羽織って登場したユンホとチャンミンは、ダンサーとともにキレのあるダンスで魅せる。続く、『Break up the Shell』『High time』『I just can't quit myself』はお待ち兼ねの“お祭りタイム”だ。それぞれフロートに乗り込みアリーナをぐるりと一周しながら、サインボールやフリスビーを客席に投げ入れる。フロートの上でも飛んでは跳ねて踊るユンホとチャンミンに、ドームは大歓声…黄色い悲鳴に包まれ、沸騰寸前。そして、『I just can't quit myself』では、93人のダンサーを交えて、ドーム全体でダンス。ボーカルで(表情も)遊ぶチャンミンに沸き、そんな相方の隣でダンスで遊ぶユンホ。楽しすぎるステージは一段と熱が上がり、チャンミンは上着を脱いでしまった。
みんなが一体となって大騒ぎした後は、またまたガラリ。ウィンド チャイムのキラキラした音色が聞こえれば、それは『Love in the Ice』だ。美しいコーラスワークと、幾重にも重ねられ、奏でられるハーモニーに聴き入る会場。ユンホは目を閉じ、チャンミンはまっすぐな眼差しをたたえ、全身で熱唱するふたりが聴衆の心を揺さぶる。チャンミンのハイトーンが会場を振るわせる。本当に“命のきらめき”のような瞬間。ふたりは、凍った氷のような心を砕く、力強い歌声をドームいっぱいに届けた。
感動の余韻を残す会場に、バックステージに消えたふたりが映る。ここからは、映像とリアル、ステージの裏と表をリンクさせながら、ワンテイクで撮影されたミュージカルのような演出でバンドメンバーとダンサーを紹介。『Catch Me - If you wanna -』や『SURI SURI [Spellbound]』『呪文 - MIROTIC -』他、東方神起の名曲が次々と繰り出される。そして、『Disvelocity』では、ほんの少しだけ、ユンホがステージに姿を見せてくれた。そんな中、印象的だったのは、バンドメンバーやダンサーのふたりへの思いだ。それぞれが、両手で「T」を形作ったり、楽器にふたりの写真を貼っていたり、「TEAM TOHO 最高」とテーピングされたタオルをアピールしたり…と、さまざまな形でふたりへの“愛情”を示していた。

いよいよ本編最後のときが近づく。琴の音が聴こえる、『MAXIMUM』だ。ユンホがメインステージ中央に、ポップアップで勢いよく登場。肩に金の飾りをあしらった白いダブルのスーツに身を包んだユンホは貫禄十分。ドームの大歓声を一身に浴びながら、首をまわし凛々しい表情で会場を見渡す。2時間以上、歌い踊ってきても、まったくブレないキレキレのダンスでワンコーラスを魅せた。ツーコーラスでは、センターステージにチャンミンの姿が。ユンホと同じ白いスーツながら、こちらはシングルひとつボタンで胸元がザックリ。セクシーながらも気品溢れるスタイルで、スーツの裾を優雅に翻せば、当然のように会場からは悲鳴が上がる。ダンスブレイクでは、「TONE」ツアーを彷彿とさせる、和傘のパフォーマンスも披露した。
そして、トドメとばかりに放つ『Rising Sun』。爆音とどろく会場、スクリーンには真っ赤に燃える太陽と炎。迫力満点のダンスはいつもながら、ダンスブレイクにアレンジが加えられ“スローダウン”。ニヤリと笑みを見せるチャンミン。「Feel It」「Tappin’」「Claps」「High-hat」「Bass」…と、次々に繰り出し会場をグイグイ惹きこむ。チャンミンが先頭になってダンサーを従えステップで前進。文句ナシにカッコイイひとコマだ。そして、ヘッドバンギングどころか全身をシェイクするユンホの鬼気迫るパワフルなダンスに息をのむ会場。“これが東方神起”といわんばかりの圧巻のパフォーマンスに、もう言葉は出ない。
5万5000人の「東方神起コール」に迎えられ、アンコールの1発目は『B.U.T (BE-AU-TY)』。盛り上がること間違いなしのテッパン曲で盛り上がると熱くなった空気を一旦冷ますように、MCへ。ユンホが会場に問いかける。「懐かしい曲も歌ってるんですけど、どの曲が一番好きだった?」。答えが揃うはずもなく……「バラバラだから。声を合わせて言ってください」と無理な注文で沸かせる。「どれも選べません」というチャンミン。そして、ユンホが「さっきチャンミンが『Forever Love』を歌ったけど」というと、チャンミンは再び「何度も~♪」と披露するそぶり。当然、会場から喜びの悲鳴があがったが、チャンミン「歌わな~い」とバッサリ。ユンホは、「東方神起は名曲がいっぱいあるから、いつかは全部歌います!」と約束してくれた。

10年の歩み。近年の公演では、男性ファンの姿も多くみられるようになった。会場から「ユンホ~」と男性の声援があがると、「ありがと~~~」とユンホ。「僕的にうれしいのは……女性が好きですけど、男性が男性を認めるのは難しいじゃないですか。だから、だんだん男性のファンが増えているのがすごいなぁって思ってます。ありがとう、ホントに」と心底うれしそう。一方のチャンミンは、「2~3年前、僕が、後輩の少女時代のコンサートで聴いた客席からの声が今聞こえてきました」と会場を沸かせ、「でも、カワイイ女性のファンだとさらにうれしいです」とニヤリ。すると、客席にパラパラと手があがり、「手を挙げたほとんどの方々はちょっと違うかもしれません。はっはっは」とファンをイジリ倒し爆笑させた。
そして、チャンミンが次の曲として、「ちょうどこの季節、桜が満開の季節にぴったりな曲です」と、新曲『サクラミチ』(2月25日発売)を紹介。同曲は、“離れても ずっと繋がっている”と歌う別離と再会の物語だ。ユンホは、「4月は卒業もあるし、新学期や就職など、新たな出会いがあったらお別れもある季節。このふたりも含めてみんな、いろんな不安を抱えていくと思うんです。いろんな方々がそれぞれの状況に思い当ててきいてほしい曲です」と話す。そして、チャンミンは言った。「あえて、正直に言えば、このふたりの“今の時期”とふさわしい曲じゃないかな、と思います。だからもうちょっと感情を込めて、このふたりの物語だと思って歌えると思います。そうして来ているし」。これから迎える“しばしの別れ”が暗に浮かぶ発言だった。
桜が舞い散る映像をバックに歌い、癒しと切なさで会場を満たすと、最後は『With Love』。心のままに、大きな愛を歌うユンホとチャンミン。すると、客席に浮かぶ「TOHOSHINKI 10YEARS」の文字。そして、スクリーンには、10年間、苦楽をともにしてきたファンやスタッフからのメッセージと写真が……。「元気をありがとう」「子供が生まれたら、子供と(ライブに)きます」「We are T」他、祝福の言葉とともに、笑顔に満ち溢れた写真が次々と映し出される。これを目にしたユンホの瞳はみるみる涙が溢れ、チャンミンの目も涙で真っ赤に。「ラララ」と歌うコール&レスポンスでは、ギュッと目をつぶり懸命に涙をこらえながら「もっと大きな声で」と煽るユンホ。会場はもう涙の大合唱だ。最後のフレーズは、ユンホの嗚咽が交じり、さらに涙を誘った。手で顔を覆って子どものように号泣するユンホ。そんなユンホに近づき、ポンとユンホの肩を抱いていたチャンミン。繋ぎとめておきたい、幸せなあたたかい瞬間だった。
「スタッフさん、ズルイ。撮ったの知らなくて。僕泣きました」というユンホは、スタッフへの感謝を何度も何度も口に。そして、「実は昨日(1日公演)も泣いたので、きょうは絶対泣かないって自分に約束したんだけど……。僕は、泣きたい瞬間があってもずっと我慢してたんです。自分自身に約束したから。一番幸せなときにだけ泣きますって。本当に皆さんのおかげで幸せでした」と感謝を述べると、ついにある報告を切り出した。

「これをいつ言うかずっと悩んでたんですが、実は、東方神起の単独ライブ・ツアーではしばらく会えないと思うんですけど……、本当に今まで応援してくれてありがたいです」と、韓国男子の義務である兵役を示唆。しかし、続けて、「すぐ、このふたり(で)戻ってきて、このステージの上でまた皆さんに会うから」。会場から拍手があがり、「だよね? だから、本当に、元気よく待って(て)ください。僕が『ただいま!』って言ったら、みんなが『おかえり』って必ず言ってください!」と笑った。
努めて明るく約束するユンホ。さらに、「このステージは、単純な今年の最後のツアーってだけじゃなくて。10年間ずっとずっと走ってきた思い出がここで爆発したと思うんです」と語り、「人は、言葉より“これ”だからね」と拳をぐっと握り締め、「必ず、ここで会いましょうね! 約束だからね!」と小指を立ててファンと指きりし、「いま、オレは絶好調だ!!」と叫ぶユンホに、ドームは大歓声で答えた。
ユンホのかたわらで目を真っ赤にしていたチャンミンは、「スタッフの仕業で…」と、毒づきながらも低く声をふるわせる。「ライブをやっていると、音響やシステムに関して、僕が文句ばっかり言ったり怒ったりしてたんですけど、そういうスタッフの方々も笑いながら写真を撮ってくださった姿を見て、自分がホントに情けないなと思って……」。語るうちに、再び込み上げる感情。流れる涙をぬぐうこともせずチャンミンは続けた。「移動とかしてると無表情でいつも付いて来てくださる方々がすごく泣いてる姿を見て、悔しいけど涙を流してしまいました。改めてスタッフの方々に、勝手なことを言いまくって申し訳なかったです」と、感謝と謝罪を述べるチャンミンに、会場から大きな拍手があがった。
そして、チャンミンは静かに続けた。「しばらくは、東方神起の単独ライブでは会えないんですが、また元気で戻ってくる場所が東京ドームかもしれないし、違う場所かもしれないんですけど」。ユンホが“ここで”と再会を誓ったのに対し、あくまで現実的なチャンミンに会場から「ええ~」と非難の声や笑いが漏れると、「いや、でも、未来のことは誰も知らないから。……人が泣きながらしゃべってるのに、真面目に聞いてくれませんかね」と、泣いてもやっぱりチャンミンらしい。そして、「また会える場所ができれば、ここ東京ドームで再会できたらいいですね。東方神起を作ってくれた生みの親がいらっしゃったし。あまり子どもの頃、何になりたいと思ったことのない夢自体のなかった少年に夢を作ってくださったSMのイ・スマン先生、エイベックス、スタッフの方々、ここにいらっしゃってるカシオペア(韓国のファン)もそうだし、ビギスト(日本のファン)もそうだし……夢を作ってくださって感謝しております。皆さんに出会ったのは、僕の人生の中で一番の、巡りあった大切なプレゼントだと思います。本当に幸せでした。必ず戻ってきます」。真っ直ぐな瞳で、静かにそう固く宣言すると、ふたりは舞台の裏へと消えた。

公演の終わりを告げるエンドロールが流れるも、途中でノイズが走り、スクリーンには「これで終わりだと思った? まだまだいくぜ~」の文字。ダブルアンコールでは、『ウィーアー!』で再び火をつけたふたりは、歌いながらアリーナ外周を歩いてファンにあいさつ。ペットボトルの水をぶちまけるチャンミンに、一人ひとりファンの顔を確かめるように歩くユンホ。後方のサブステージでは、かつてのようにふたりが向き合って『Somebody To Love』を歌い始めた。ムービング・ステージでセンターへと移動し、メインステージへと走り、「みんな~、ウィーアー」(ユンホ)と呼びかければ、「T」と答える赤い群れ。声を絞り出すように歌うユンホは、回し蹴り3連発もお見舞いし、「ありがとう」と心から叫ぶ。チャンミンは、着ていたTシャツを脱ぎ、鍛え抜かれた上半身をあらわにしながらシャツを振り回して煽る。ふたりは、腕をぶん回しながらステージを左右、センターを巡り、「もっともっと」と煽る。ブリッジでは、ふたりがハイタッチをしてすれ違う。ユンホは寝転がって、これでもかというほど会場の熱を煽った。“やりきった”という表情を見せたふたりは、「みんな、We are T! また会おうよ」という言葉を残し、客席に背を向けステージを後にした。
エンドロールが流れ、本当にライブは終わった。事前のセットリストに曲の記載は無い。しかし、誰も席を立つことはなく、「東方神起」を叫ぶ。誰かが音頭をとらなくともぴたりと揃った5万5000人の声は、エンドロールをかき消していく。大きな大きなうねりとなって。
すると、「戻ってきましたー、皆さん」と、ふたりはステージに登場、予定にない奇跡のようなトリプルアンコールが実現した。「最後にですね、最後にもう1曲。本当に最後だから!」と念を押すようにいうチャンミン。「ちょうど、今のこのタイミングとぴったりな、そういう曲じゃないかなと思うんです。できればですね、“時間を止めて”もうちょっと皆さんといたいなぁ、と思うんです」。本当に、誰もが感じていた“この瞬間”にぴったりな『時ヲ止メテ』。近づく別れのときを惜しむように、全身で歌うユンホとチャンミン。そして、ドームに響き渡ったチャンミンのロングトーン。最後は、見つめ合いながら、声を重ねハーモニーを奏でていた。
割れんばかりの拍手の中、「本当にありがとうございました」(チャンミン)、「それでは、東方神起でした」(ユンホ&チャンミン)といつものように挨拶をし、笑顔で手を振るふたり。ユンホは「We are T」で会場をひとつにし、チャンミンは「ビギストありがとう。カムサハムニダ。タウメ トマンナヨ(また会いましょう)」。最後の最後に「また会いましょう」(ユンホ)という再会を約束する言葉を残してステージを去り、3時間40分にわたるライブ、そして全ツアーの幕を閉じた。
本ツアーのロゴは雪の結晶がモチーフとなっていた。春先のライブなのに? と不思議に思っていたけれど、ライブを観て合点がいった。このライブはまさに、10年の努力の「結晶」だった。つねにベストを尽くすステージへの真摯な姿勢と、バンド、ダンサー、スタッフ、ファン、そして互いへの信頼、すべてのものへの感謝の心。東方神起の強さと、人々を引き付けて止まない魅力のすべてがカタチとなってつまっていたと思う。
完全に会場を掌握し、ドームという広い空間さえも狭いと感じさせる迫力満点のパフォーマンス。フロントに立つユンホとチャンミンのパフォーマンスはもちろんだけど、バンド、ダンサー、照明から舞台演出その他、関わるすべてのスタッフ、そして、ファン、すべてがともに(WITHだね!)、この壮大なステージ(とスバラシイ瞬間)を作り上げる主人公のひとりだった。どれひとつ欠けてもきっと成立しない、抜群のチームワーク。そこから生まれるのが、ふたりのいう温かさに満ち溢れたライブ。「みんな、東方神起が本当に大好き」。それがよく伝わってきた。つねに進化し続ける東方神起のこれまでの集大成であり、現時点での“到達点”といえる、ベストライブだったことは間違いない。
10年間走りつづけた東方神起。決して平たんな道のりではなかったけれど、いつもふたりは全力でその道を歩みながら、期待以上のものをくれた。これまでに見たことのない景色・光景を見せてくれた。その美しさを表現する言葉がどうにも見つからない。過ごしたすべての瞬間が眩しくて、愛おしいような……かけがいのないもの。いつだって、ワクワクさせられたし、笑わされ感動させられ、圧倒させられた。それと同時に、ふたりと、ふたりを取り囲むすべてに温もりと安心感を感じて、うらやましいと思った。人生の中で、こんなにも多くの信頼と愛情を寄せられることはないのだから。でも、彼らが愛される理由はよくわかる。
東方神起を見ると、いつも思い出す言葉がある。ある超大物アーティストが日産スタジアムで発した言葉だ。
「速くたってゆっくりだって、とにかく走り続ければ、辿り着ける場所があるということを教えてくれたのはみんな(ファン)なんだよ」。
この名言を少々拝借したい。まだ若いふたりも見せてくれた。身をもって示し、教えてくれた。周囲からどんな雑音が聞こえてきても、ブレない強い信念をもち、自分を、互いを信じて走り続ければ、いつか辿り着ける場所、そして築ける深い絆がある、ということを。
特別な場所、東京ドームは、苦楽をともにした仲間たちの信頼と、東方神起への愛情に溢れた温もりで、すべての人がひとつに繋がった幸福に溢れた空間であり、「結晶」だった。本当に素晴らしかった。
「必ずここでまた会おう」「必ずまた戻ってきます」――。交わした約束は、未来へのうれしいプレゼント。この特別な場所で目にした、共有した輝く瞬間を、ユンホとチャンミンの言葉を胸に、またこの“ホーム”で再会し、「ただいま」と「おかえり」の言葉を交わすときまで、笑顔でしっかり前を向いて進もうじゃないか! 大丈夫、ずっと繋がってるよ!!
「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」ファイナル セットリスト
4月2日@東京ドーム ↓()内は収録音盤。SG=シングル、AL=アルバム
1. Refuse to lose (2014年 AL『WITH』)
2. Spinning (2014年 AL『WITH』)
3. Why? [Keep your head down] (2011年 SG/AL『TONE』)
4. Choosey Lover (2007年 SG/AL『Five in the Black』)
5. Baby, don't cry (2014年 AL『WITH』)
6. Believe In U (2014年 AL『WITH』)
7. No? (2008年 AL『T』)
8. Answer (2014年 AL『WITH』)
9. DIRT (2014年 AL『WITH』)
10. Survivor (2009年 SG/AL『The Secret Code』)
11. Time Works Wonders (2014年 SG/AL『WITH』)
12. Special One (2014年 AL『WITH』)
13. Before U go (パッケージ未発売 ※韓国語Ver.は2011年 韓国AL『Keep Your Head Down(リパッケージ版)』)
14. Calling (2014年 AL『WITH』)
15. Duet (2011年 AL『TONE』)~どうして君を好きになってしまったんだろう? (2008年 SG/AL『The Secret Code』)
16. Chandelier (2014年 AL『WITH』)
17. Humanoids (2013年 AL『TIME』)
18. Break up the Shell (2006年 AL『Heart, Mind and Soul』)~ High time (2006年 SGカップリング/2007年 AL『Five in the Black』)
19. I just can't quit myself (2014年 AL『WITH』)
20. Love in the Ice (2008年 AL『T』)
映像内(バンドメンバー、ダンサー紹介)
Catch Me - If you wanna - (2013年 SG/AL『TIME』)
SURI SURI [Spellbound] (2014年 AL『WITH』)
Disvelocity (2013年 SGカップリング)
One More Thing (2012年 SGカップリング/2013年 AL『TIME』)
Sweat (2014年 SG/AL『WITH』)
呪文 - MIROTIC - (2008年 SG/2009年 AL『The Secret Code』)
21. MAXIMUM (2011年 SGカップリング/AL『TONE』)
22. Rising Sun (2006年 SG/AL『Heart, Mind and Soul』)
<アンコール>
23. B.U.T (BE-AU-TY) (2011年 SG/AL『TONE』)
24. サクラミチ (2015年 SG)
25. With Love (2014年 AL『WITH』)
<ダブルアンコール>
26. ウィーアー! (2009年 SG/AL『The Secret Code』)~ Somebody To Love (2005年 SG/2006年 AL『Heart, Mind and Soul』/2011年 AL『TONE』(-2011 Version- ))
<トリプルアンコール>
27. 時ヲ止メテ (2010年 SG)
動画インタビューもチェック
【東方神起】<後編>日本デビュー10周年! ひたむきな努力の結晶「WITH」ツアー・ファイナルを完全レポート
東方神起が4月2日、日本デビュー10周年を記念した自身2度目となる5大ドーム・ツアー「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」のファイナルを東京ドームで迎えた。2月の福岡ヤフオク!ドームを皮切りに、全国5か所16公演で75万人、ファイナルのライブ・ビューイング(7万5000人)をあわせると82万5000人を熱狂させた10年の集大成ライブをレポートする。

「できればですね、“時間を止めて”もうちょっと皆さんといたいなぁ、と思うんです」。
今月27日に日本デビュー10周年を迎える、韓国出身の人気グループ、東方神起が4月2日、自身2度目となる5大ドーム・ツアー「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」(全国5か所16公演)のファイナルを東京ドームで迎えた。
東方神起のツアー・ファイナル@東京ドームのレポート後編をお届け。
ロングMCで会場を爆笑の渦に巻き込み、和やかなムードに包まれていた雰囲気をガラリと一変、ここからは、“涙腺崩壊パート”へ。まずは『Calling』だ。ピアノのアルペジオから徐々に楽器の音色が重なりスケール感が増していく。そこに、幾重にも折り重なるユンホとチャンミンのロングトーン。ふたりの声が共鳴しあい、楽曲の世界観がどんどん増幅していく。ドラマチックな展開に誰もが引き込まれると、ドームいっぱいに響きわたるチャンミンのロングトーン……。続く、『Duet』は、再始動後のアルバムで人気を博した楽曲。歌詞は男女間を描いているけれど、ふたりの姿にも当てはまった。見つめあいながら、声を重ねてハーモニーを、“終わることないデュエット”を奏でる。曲は途中で止まり、ふたりの声が会場にこだますると会場が暗転。
すると、聞こえてきたのはハープの音色……『どうして君を好きになってしまったんだろう?』だ。“天上”を照らしていたすべてのスポットライトが一点に、ふたりに降り注ぐ。光の中で、懸命に、想いのすべてを込めるように言葉をつむぐユンホとチャンミン。そして、このパートの最後を『Chandelier』で飾った。リストバンド型のペンライトがオレンジの光を放ち、ドームがまるでシャンデリアのよう。シャンデリアは“家”の象徴。ここが“ホーム”だというかのよう。スクリーンには、流れ星もきらめき、あたたかさに包まれる。その中で、一つひとつの歌詞をたしかめるように大切に歌っていくふたり。歌詞は、この先にある“しばしの別れと再会”を意識したものというのは明白。涙ナシに聴けるはずがなかった。
涙でしっとりとした雰囲気に包まれる会場。その中で映し出される映像は、「History of 東方神起」。先の映像同様、図書館で回想するふたり。『Humanoids』『Something』『Sweat』など過去の映像が次々とフラッシュバックする。そして、過去のやや幼さを残したユンホとチャンミンを、現在の成長したふたりが見つめる。回想からめざめ、目を開けたユンホとチャンミンは、互いの拳を軽くぶつけあう。“よくここまでふたりでやってきたな”という声が聞こえてきそうだ。あたたかなシーンに、会場から大きな拍手が沸き起こった。そんな空気を、1冊の本が切り裂いた。「東方神起 危機一髪」と名打たれた本から巻き起こる竜巻に飛ばされそうになるふたり。本を閉じようと懸命に手をのばし……!

映像中の“過去のふたり”とリンクするように披露するのは『Humanoids』。メタルブルーとピンクのジャンパーをそれぞれ羽織って登場したユンホとチャンミンは、ダンサーとともにキレのあるダンスで魅せる。続く、『Break up the Shell』『High time』『I just can't quit myself』はお待ち兼ねの“お祭りタイム”だ。それぞれフロートに乗り込みアリーナをぐるりと一周しながら、サインボールやフリスビーを客席に投げ入れる。フロートの上でも飛んでは跳ねて踊るユンホとチャンミンに、ドームは大歓声…黄色い悲鳴に包まれ、沸騰寸前。そして、『I just can't quit myself』では、93人のダンサーを交えて、ドーム全体でダンス。ボーカルで(表情も)遊ぶチャンミンに沸き、そんな相方の隣でダンスで遊ぶユンホ。楽しすぎるステージは一段と熱が上がり、チャンミンは上着を脱いでしまった。
みんなが一体となって大騒ぎした後は、またまたガラリ。ウィンド チャイムのキラキラした音色が聞こえれば、それは『Love in the Ice』だ。美しいコーラスワークと、幾重にも重ねられ、奏でられるハーモニーに聴き入る会場。ユンホは目を閉じ、チャンミンはまっすぐな眼差しをたたえ、全身で熱唱するふたりが聴衆の心を揺さぶる。チャンミンのハイトーンが会場を振るわせる。本当に“命のきらめき”のような瞬間。ふたりは、凍った氷のような心を砕く、力強い歌声をドームいっぱいに届けた。
感動の余韻を残す会場に、バックステージに消えたふたりが映る。ここからは、映像とリアル、ステージの裏と表をリンクさせながら、ワンテイクで撮影されたミュージカルのような演出でバンドメンバーとダンサーを紹介。『Catch Me - If you wanna -』や『SURI SURI [Spellbound]』『呪文 - MIROTIC -』他、東方神起の名曲が次々と繰り出される。そして、『Disvelocity』では、ほんの少しだけ、ユンホがステージに姿を見せてくれた。そんな中、印象的だったのは、バンドメンバーやダンサーのふたりへの思いだ。それぞれが、両手で「T」を形作ったり、楽器にふたりの写真を貼っていたり、「TEAM TOHO 最高」とテーピングされたタオルをアピールしたり…と、さまざまな形でふたりへの“愛情”を示していた。

いよいよ本編最後のときが近づく。琴の音が聴こえる、『MAXIMUM』だ。ユンホがメインステージ中央に、ポップアップで勢いよく登場。肩に金の飾りをあしらった白いダブルのスーツに身を包んだユンホは貫禄十分。ドームの大歓声を一身に浴びながら、首をまわし凛々しい表情で会場を見渡す。2時間以上、歌い踊ってきても、まったくブレないキレキレのダンスでワンコーラスを魅せた。ツーコーラスでは、センターステージにチャンミンの姿が。ユンホと同じ白いスーツながら、こちらはシングルひとつボタンで胸元がザックリ。セクシーながらも気品溢れるスタイルで、スーツの裾を優雅に翻せば、当然のように会場からは悲鳴が上がる。ダンスブレイクでは、「TONE」ツアーを彷彿とさせる、和傘のパフォーマンスも披露した。
そして、トドメとばかりに放つ『Rising Sun』。爆音とどろく会場、スクリーンには真っ赤に燃える太陽と炎。迫力満点のダンスはいつもながら、ダンスブレイクにアレンジが加えられ“スローダウン”。ニヤリと笑みを見せるチャンミン。「Feel It」「Tappin’」「Claps」「High-hat」「Bass」…と、次々に繰り出し会場をグイグイ惹きこむ。チャンミンが先頭になってダンサーを従えステップで前進。文句ナシにカッコイイひとコマだ。そして、ヘッドバンギングどころか全身をシェイクするユンホの鬼気迫るパワフルなダンスに息をのむ会場。“これが東方神起”といわんばかりの圧巻のパフォーマンスに、もう言葉は出ない。
5万5000人の「東方神起コール」に迎えられ、アンコールの1発目は『B.U.T (BE-AU-TY)』。盛り上がること間違いなしのテッパン曲で盛り上がると熱くなった空気を一旦冷ますように、MCへ。ユンホが会場に問いかける。「懐かしい曲も歌ってるんですけど、どの曲が一番好きだった?」。答えが揃うはずもなく……「バラバラだから。声を合わせて言ってください」と無理な注文で沸かせる。「どれも選べません」というチャンミン。そして、ユンホが「さっきチャンミンが『Forever Love』を歌ったけど」というと、チャンミンは再び「何度も~♪」と披露するそぶり。当然、会場から喜びの悲鳴があがったが、チャンミン「歌わな~い」とバッサリ。ユンホは、「東方神起は名曲がいっぱいあるから、いつかは全部歌います!」と約束してくれた。

10年の歩み。近年の公演では、男性ファンの姿も多くみられるようになった。会場から「ユンホ~」と男性の声援があがると、「ありがと~~~」とユンホ。「僕的にうれしいのは……女性が好きですけど、男性が男性を認めるのは難しいじゃないですか。だから、だんだん男性のファンが増えているのがすごいなぁって思ってます。ありがとう、ホントに」と心底うれしそう。一方のチャンミンは、「2~3年前、僕が、後輩の少女時代のコンサートで聴いた客席からの声が今聞こえてきました」と会場を沸かせ、「でも、カワイイ女性のファンだとさらにうれしいです」とニヤリ。すると、客席にパラパラと手があがり、「手を挙げたほとんどの方々はちょっと違うかもしれません。はっはっは」とファンをイジリ倒し爆笑させた。
そして、チャンミンが次の曲として、「ちょうどこの季節、桜が満開の季節にぴったりな曲です」と、新曲『サクラミチ』(2月25日発売)を紹介。同曲は、“離れても ずっと繋がっている”と歌う別離と再会の物語だ。ユンホは、「4月は卒業もあるし、新学期や就職など、新たな出会いがあったらお別れもある季節。このふたりも含めてみんな、いろんな不安を抱えていくと思うんです。いろんな方々がそれぞれの状況に思い当ててきいてほしい曲です」と話す。そして、チャンミンは言った。「あえて、正直に言えば、このふたりの“今の時期”とふさわしい曲じゃないかな、と思います。だからもうちょっと感情を込めて、このふたりの物語だと思って歌えると思います。そうして来ているし」。これから迎える“しばしの別れ”が暗に浮かぶ発言だった。
桜が舞い散る映像をバックに歌い、癒しと切なさで会場を満たすと、最後は『With Love』。心のままに、大きな愛を歌うユンホとチャンミン。すると、客席に浮かぶ「TOHOSHINKI 10YEARS」の文字。そして、スクリーンには、10年間、苦楽をともにしてきたファンやスタッフからのメッセージと写真が……。「元気をありがとう」「子供が生まれたら、子供と(ライブに)きます」「We are T」他、祝福の言葉とともに、笑顔に満ち溢れた写真が次々と映し出される。これを目にしたユンホの瞳はみるみる涙が溢れ、チャンミンの目も涙で真っ赤に。「ラララ」と歌うコール&レスポンスでは、ギュッと目をつぶり懸命に涙をこらえながら「もっと大きな声で」と煽るユンホ。会場はもう涙の大合唱だ。最後のフレーズは、ユンホの嗚咽が交じり、さらに涙を誘った。手で顔を覆って子どものように号泣するユンホ。そんなユンホに近づき、ポンとユンホの肩を抱いていたチャンミン。繋ぎとめておきたい、幸せなあたたかい瞬間だった。
「スタッフさん、ズルイ。撮ったの知らなくて。僕泣きました」というユンホは、スタッフへの感謝を何度も何度も口に。そして、「実は昨日(1日公演)も泣いたので、きょうは絶対泣かないって自分に約束したんだけど……。僕は、泣きたい瞬間があってもずっと我慢してたんです。自分自身に約束したから。一番幸せなときにだけ泣きますって。本当に皆さんのおかげで幸せでした」と感謝を述べると、ついにある報告を切り出した。

「これをいつ言うかずっと悩んでたんですが、実は、東方神起の単独ライブ・ツアーではしばらく会えないと思うんですけど……、本当に今まで応援してくれてありがたいです」と、韓国男子の義務である兵役を示唆。しかし、続けて、「すぐ、このふたり(で)戻ってきて、このステージの上でまた皆さんに会うから」。会場から拍手があがり、「だよね? だから、本当に、元気よく待って(て)ください。僕が『ただいま!』って言ったら、みんなが『おかえり』って必ず言ってください!」と笑った。
努めて明るく約束するユンホ。さらに、「このステージは、単純な今年の最後のツアーってだけじゃなくて。10年間ずっとずっと走ってきた思い出がここで爆発したと思うんです」と語り、「人は、言葉より“これ”だからね」と拳をぐっと握り締め、「必ず、ここで会いましょうね! 約束だからね!」と小指を立ててファンと指きりし、「いま、オレは絶好調だ!!」と叫ぶユンホに、ドームは大歓声で答えた。
ユンホのかたわらで目を真っ赤にしていたチャンミンは、「スタッフの仕業で…」と、毒づきながらも低く声をふるわせる。「ライブをやっていると、音響やシステムに関して、僕が文句ばっかり言ったり怒ったりしてたんですけど、そういうスタッフの方々も笑いながら写真を撮ってくださった姿を見て、自分がホントに情けないなと思って……」。語るうちに、再び込み上げる感情。流れる涙をぬぐうこともせずチャンミンは続けた。「移動とかしてると無表情でいつも付いて来てくださる方々がすごく泣いてる姿を見て、悔しいけど涙を流してしまいました。改めてスタッフの方々に、勝手なことを言いまくって申し訳なかったです」と、感謝と謝罪を述べるチャンミンに、会場から大きな拍手があがった。
そして、チャンミンは静かに続けた。「しばらくは、東方神起の単独ライブでは会えないんですが、また元気で戻ってくる場所が東京ドームかもしれないし、違う場所かもしれないんですけど」。ユンホが“ここで”と再会を誓ったのに対し、あくまで現実的なチャンミンに会場から「ええ~」と非難の声や笑いが漏れると、「いや、でも、未来のことは誰も知らないから。……人が泣きながらしゃべってるのに、真面目に聞いてくれませんかね」と、泣いてもやっぱりチャンミンらしい。そして、「また会える場所ができれば、ここ東京ドームで再会できたらいいですね。東方神起を作ってくれた生みの親がいらっしゃったし。あまり子どもの頃、何になりたいと思ったことのない夢自体のなかった少年に夢を作ってくださったSMのイ・スマン先生、エイベックス、スタッフの方々、ここにいらっしゃってるカシオペア(韓国のファン)もそうだし、ビギスト(日本のファン)もそうだし……夢を作ってくださって感謝しております。皆さんに出会ったのは、僕の人生の中で一番の、巡りあった大切なプレゼントだと思います。本当に幸せでした。必ず戻ってきます」。真っ直ぐな瞳で、静かにそう固く宣言すると、ふたりは舞台の裏へと消えた。

公演の終わりを告げるエンドロールが流れるも、途中でノイズが走り、スクリーンには「これで終わりだと思った? まだまだいくぜ~」の文字。ダブルアンコールでは、『ウィーアー!』で再び火をつけたふたりは、歌いながらアリーナ外周を歩いてファンにあいさつ。ペットボトルの水をぶちまけるチャンミンに、一人ひとりファンの顔を確かめるように歩くユンホ。後方のサブステージでは、かつてのようにふたりが向き合って『Somebody To Love』を歌い始めた。ムービング・ステージでセンターへと移動し、メインステージへと走り、「みんな~、ウィーアー」(ユンホ)と呼びかければ、「T」と答える赤い群れ。声を絞り出すように歌うユンホは、回し蹴り3連発もお見舞いし、「ありがとう」と心から叫ぶ。チャンミンは、着ていたTシャツを脱ぎ、鍛え抜かれた上半身をあらわにしながらシャツを振り回して煽る。ふたりは、腕をぶん回しながらステージを左右、センターを巡り、「もっともっと」と煽る。ブリッジでは、ふたりがハイタッチをしてすれ違う。ユンホは寝転がって、これでもかというほど会場の熱を煽った。“やりきった”という表情を見せたふたりは、「みんな、We are T! また会おうよ」という言葉を残し、客席に背を向けステージを後にした。
エンドロールが流れ、本当にライブは終わった。事前のセットリストに曲の記載は無い。しかし、誰も席を立つことはなく、「東方神起」を叫ぶ。誰かが音頭をとらなくともぴたりと揃った5万5000人の声は、エンドロールをかき消していく。大きな大きなうねりとなって。
すると、「戻ってきましたー、皆さん」と、ふたりはステージに登場、予定にない奇跡のようなトリプルアンコールが実現した。「最後にですね、最後にもう1曲。本当に最後だから!」と念を押すようにいうチャンミン。「ちょうど、今のこのタイミングとぴったりな、そういう曲じゃないかなと思うんです。できればですね、“時間を止めて”もうちょっと皆さんといたいなぁ、と思うんです」。本当に、誰もが感じていた“この瞬間”にぴったりな『時ヲ止メテ』。近づく別れのときを惜しむように、全身で歌うユンホとチャンミン。そして、ドームに響き渡ったチャンミンのロングトーン。最後は、見つめ合いながら、声を重ねハーモニーを奏でていた。
割れんばかりの拍手の中、「本当にありがとうございました」(チャンミン)、「それでは、東方神起でした」(ユンホ&チャンミン)といつものように挨拶をし、笑顔で手を振るふたり。ユンホは「We are T」で会場をひとつにし、チャンミンは「ビギストありがとう。カムサハムニダ。タウメ トマンナヨ(また会いましょう)」。最後の最後に「また会いましょう」(ユンホ)という再会を約束する言葉を残してステージを去り、3時間40分にわたるライブ、そして全ツアーの幕を閉じた。
本ツアーのロゴは雪の結晶がモチーフとなっていた。春先のライブなのに? と不思議に思っていたけれど、ライブを観て合点がいった。このライブはまさに、10年の努力の「結晶」だった。つねにベストを尽くすステージへの真摯な姿勢と、バンド、ダンサー、スタッフ、ファン、そして互いへの信頼、すべてのものへの感謝の心。東方神起の強さと、人々を引き付けて止まない魅力のすべてがカタチとなってつまっていたと思う。
完全に会場を掌握し、ドームという広い空間さえも狭いと感じさせる迫力満点のパフォーマンス。フロントに立つユンホとチャンミンのパフォーマンスはもちろんだけど、バンド、ダンサー、照明から舞台演出その他、関わるすべてのスタッフ、そして、ファン、すべてがともに(WITHだね!)、この壮大なステージ(とスバラシイ瞬間)を作り上げる主人公のひとりだった。どれひとつ欠けてもきっと成立しない、抜群のチームワーク。そこから生まれるのが、ふたりのいう温かさに満ち溢れたライブ。「みんな、東方神起が本当に大好き」。それがよく伝わってきた。つねに進化し続ける東方神起のこれまでの集大成であり、現時点での“到達点”といえる、ベストライブだったことは間違いない。
10年間走りつづけた東方神起。決して平たんな道のりではなかったけれど、いつもふたりは全力でその道を歩みながら、期待以上のものをくれた。これまでに見たことのない景色・光景を見せてくれた。その美しさを表現する言葉がどうにも見つからない。過ごしたすべての瞬間が眩しくて、愛おしいような……かけがいのないもの。いつだって、ワクワクさせられたし、笑わされ感動させられ、圧倒させられた。それと同時に、ふたりと、ふたりを取り囲むすべてに温もりと安心感を感じて、うらやましいと思った。人生の中で、こんなにも多くの信頼と愛情を寄せられることはないのだから。でも、彼らが愛される理由はよくわかる。
東方神起を見ると、いつも思い出す言葉がある。ある超大物アーティストが日産スタジアムで発した言葉だ。
「速くたってゆっくりだって、とにかく走り続ければ、辿り着ける場所があるということを教えてくれたのはみんな(ファン)なんだよ」。
この名言を少々拝借したい。まだ若いふたりも見せてくれた。身をもって示し、教えてくれた。周囲からどんな雑音が聞こえてきても、ブレない強い信念をもち、自分を、互いを信じて走り続ければ、いつか辿り着ける場所、そして築ける深い絆がある、ということを。
特別な場所、東京ドームは、苦楽をともにした仲間たちの信頼と、東方神起への愛情に溢れた温もりで、すべての人がひとつに繋がった幸福に溢れた空間であり、「結晶」だった。本当に素晴らしかった。
「必ずここでまた会おう」「必ずまた戻ってきます」――。交わした約束は、未来へのうれしいプレゼント。この特別な場所で目にした、共有した輝く瞬間を、ユンホとチャンミンの言葉を胸に、またこの“ホーム”で再会し、「ただいま」と「おかえり」の言葉を交わすときまで、笑顔でしっかり前を向いて進もうじゃないか! 大丈夫、ずっと繋がってるよ!!
「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」ファイナル セットリスト
4月2日@東京ドーム ↓()内は収録音盤。SG=シングル、AL=アルバム
1. Refuse to lose (2014年 AL『WITH』)
2. Spinning (2014年 AL『WITH』)
3. Why? [Keep your head down] (2011年 SG/AL『TONE』)
4. Choosey Lover (2007年 SG/AL『Five in the Black』)
5. Baby, don't cry (2014年 AL『WITH』)
6. Believe In U (2014年 AL『WITH』)
7. No? (2008年 AL『T』)
8. Answer (2014年 AL『WITH』)
9. DIRT (2014年 AL『WITH』)
10. Survivor (2009年 SG/AL『The Secret Code』)
11. Time Works Wonders (2014年 SG/AL『WITH』)
12. Special One (2014年 AL『WITH』)
13. Before U go (パッケージ未発売 ※韓国語Ver.は2011年 韓国AL『Keep Your Head Down(リパッケージ版)』)
14. Calling (2014年 AL『WITH』)
15. Duet (2011年 AL『TONE』)~どうして君を好きになってしまったんだろう? (2008年 SG/AL『The Secret Code』)
16. Chandelier (2014年 AL『WITH』)
17. Humanoids (2013年 AL『TIME』)
18. Break up the Shell (2006年 AL『Heart, Mind and Soul』)~ High time (2006年 SGカップリング/2007年 AL『Five in the Black』)
19. I just can't quit myself (2014年 AL『WITH』)
20. Love in the Ice (2008年 AL『T』)
映像内(バンドメンバー、ダンサー紹介)
Catch Me - If you wanna - (2013年 SG/AL『TIME』)
SURI SURI [Spellbound] (2014年 AL『WITH』)
Disvelocity (2013年 SGカップリング)
One More Thing (2012年 SGカップリング/2013年 AL『TIME』)
Sweat (2014年 SG/AL『WITH』)
呪文 - MIROTIC - (2008年 SG/2009年 AL『The Secret Code』)
21. MAXIMUM (2011年 SGカップリング/AL『TONE』)
22. Rising Sun (2006年 SG/AL『Heart, Mind and Soul』)
<アンコール>
23. B.U.T (BE-AU-TY) (2011年 SG/AL『TONE』)
24. サクラミチ (2015年 SG)
25. With Love (2014年 AL『WITH』)
<ダブルアンコール>
26. ウィーアー! (2009年 SG/AL『The Secret Code』)~ Somebody To Love (2005年 SG/2006年 AL『Heart, Mind and Soul』/2011年 AL『TONE』(-2011 Version- ))
<トリプルアンコール>
27. 時ヲ止メテ (2010年 SG)
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