映画が好き『戦火の馬』 | 浅次郎のブログ

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猫の浅次郎と仙太郎、そして人間の浅次郎(私)
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大好きな映画のことなど書いていくよ。

2011年のアメリカ映画です。

「激突!」(1971年)「E.T.」(1982年)「プライベート・ライアン」(1998年) 、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002年)などのスティーブン・スピルバーグ監督の作品です。

1982年にイギリスで発表されたマイケル・モーパーゴの小説を映画化しました。

主演はジェレミー・アーヴァインで、エミリー・ワトソン、デビット・シューリーヌ、ピーター・シュラン等が共演しています。




あらすじ…

20世紀初めのイギリスの農村。
ここに住む貧しい農家のテッド・ナラコット(ピーター・ミュラン)は地主と競い勝って一頭の美しい馬を手にいれます。




この家の少年アルバート・ナラコット(ジェレミー・アーヴァイン)はその馬をジョーイと名づけお互いにかけがいのない存在となります。

しかし、戦争(第一次世界大戦)が始まるとジョーイは英国軍の軍馬として売られ、フランスの戦地に送られてしまいます。

アルバートはジョーイを探すため、徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、最前線フランスに向かいます…




スピルバーグ監督は「タイタンの冒険」(2011年)を撮影中にこの物語の原作本を紹介されますが、その時は『戦火の馬』の監督をするなんて思ってもみなかったそうです。

しかし、ロンドンで舞台版「戦火の馬」を観て監督の考えは変わります。




舞台版では複数のパフォーマーがパペットを動かして馬を表現しましたが、映画版では本物の馬が演技をします。




映画化するにあたって“この馬”がとても高いハードルだったそうです。

映画に登場する98%の馬は本物で、CGを使った馬は3ショットしか登場しないそうです。

CGで処理したのも馬に怪我をさせるリスクがあった場合だけだとか。




スピルバーグ監督は「どの馬も名演者だった。彼らはとても馬にできるとは思えない反応をしてくれ、とてもいい演技をみせてくれた」と話しています。

映画の終わりごろ、ジョーイがアルバートに鼻を擦り寄せるシーンがあります。

監督が言うには、あたかもアルバートに『オーケー、心の準備はできた、連れていってくれ』といっているように…それは計算して出来るようなものではなく馬自身が判断してそうしているということらしいです。

スピルバーグ監督が舞台版を観た時カタルシスを覚えた場面があって、それがこの映画を作るきっかけになったとか。

その場面とは…

一人になり戦場を駆けめぐり、有刺鉄線がからまってしまったジョーイ。




イギリス軍とドイツ軍が、鉄条網にからまったジョーイを協力して助けようとする場面。

「舞台版ではほんの少ししか描かれていないんだけど、僕には強い印象を残した。そこで、あの場面を拡大してもっと深く描くことに決めたんだ」と監督。

映画化しようとしたもうひとつのきっかけは、スピルバーグ監督の娘にどうしてもこの映画を作ってほしいと言われたことだそうです。

監督は「原作ではジョーイの視点から物語が語られているが、もし、ジョーイが話しはじめたら別の映画になってしまう。この映画を手掛けるにあたり、最初に決めたのはジョーイに話をさせたり考えさせないことだった」とも話しています。

ジョーイは死と隣り合わせの過酷な日々のなか、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した少年兵の幼い兄弟、両親を失ったフランスの少女らと巡り会います。








主演のジェレミー・アーヴァインは戦闘シーンについて「ウールの大きな軍服が濡れると信じられないくらい重いんだ。泥やススの中を右往左往していたよ」とコメントしています。

また、彼は塹壕でのびしょ濡れのシーンが多かったせいもあり、塹壕足炎になってしまったそうです。

塹壕足炎とは長時間湿った冷たい環境におかれることでできる凍傷のような症状で、実際に第一次世界大戦では多くの兵士が患ったとか。




撮影は遅れが許されないスケジュールだったため、俳優たちはひどい天候の中でも撮影を続けなければならなかったそうで、雨の多いイギリスでは過酷を極めたそうです。

自然光をありのまま使うべきだという意見を尊重して、太陽や正しい形をした雲を何日も待ったそうですよ。

撮影でここまで太陽を待ったのは久しぶりだとか。

スティーブン・スピルバーグ監督はこの作品と出会って7ヶ月で撮影に入ったといういうことです。

第一次世界大戦は馬は戦力だったんですね、ドイツ軍の重い大砲を引く馬たちが可哀想で目をそらしたくなりました。

スピルバーグ監督もカタルシスを覚えたと言っていた馬を助けるシーン、私も感動しました。

舞台版も観てみたいと思いました。


馬のジョーイは運が良かったね、あんなに過酷な戦争から生還出来たんだから(浅)


僕たちは今の平和な時代に生まれて良かったね(仙)


人間って愚かだね、いまだに戦争してるよ。