ヒロの夢は『マイホーム』だ。
新築一戸建て。
バカな男だ。
ヒロは長男。
妹は結婚している。
ヒロノ実の子供は娘が2人。
実の両親はヒロが中学に入学したと同時に一戸建てを
建てている。
どう考えても、いずれ実家と土地はヒロのものになる。
なのにヒロは
『俺は絶対親父が家を建てた年齢より早く家を建てる』
と常に言っていた。
どうやら父親にライバル心を持っていたらしい。
小さい頃からバカなくそガキで、両親に多大な迷惑ばかり
掛けていたヒロ。
両親に恩返しするとか、老後の面倒を見る、とかそういった
気持ちは微塵もないようだった。
自分は両親には何一つ甘えていないし、迷惑も掛けていない
と思っているようだった。
私はヒロが家を建てたいと言い出した時はいつも聞こえない
振りでやりすごしていた。
だって私はヒロとはいつでも別れられる環境に身をおいておき
たかったんだもの。
無意識の中、私はいつも自分の逃げ道を作っていたように思う。