点滴の後、血を抑えるために貼る綿と包帯を剥がしたら、お医者さんの匂いがした。

血と包帯の匂い。

決して嫌ではないが、
この匂いを嗅ぐと、全身の力が抜けてしまう。

絶望に等しい匂い。
諦め、自己の委任、微かな希望。

もはや自分では抗えない、見えざる敵に対する唯一の対抗策は、お医者さんに、見えざる敵の討伐をまかせること。

そう。あの匂いはそーいった感じ方をさせる。でも点滴気持ちよかったし、今度から考え方変わるかもしんないけど。

匂い、とは、不思議なものだ。





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